改築設計でプロポ 日立特支 全体事業費に約38億円(日立市)

[2023/11/30 茨城版]
 日立市は24日、日立特別支援学校校舎等改築事業で、基本・実施設計の公募型プロポーザルの手続きを開始した。参加表明書の提出は12月22日まで受け付ける。候補者の決定は3月中となるもようで、24年度中に設計をまとめ、25年度から着工する運びだ。既存施設の解体工事や外構工事などを除いた全体事業費は約38億円を想定する。

 同校は、日立養護学校高等部として1968年に開校。72年に体育館、75年に新校舎が完成したあと、79年と85年に増築工事が行われ、現在の総延べ面積は4310平方mとなっている。耐震化工事は既に完了し、2011年と13年には外壁改修工事が行われた。

 既存施設は、完成後約50年が経過するなど、内部の老朽化が進行しているほか、設備や内装の劣化、給排水管の劣化なども見られるという。教室不足も顕著で、特別教室を普通教室に転用している状況にある。さらに、図書室や遊戯室など特別活動を行う教室も不足している。一部の校舎では、バリアフリー化が十分でない箇所があるなど、環境整備への対応が迫られている状況となっている。

 このため、22年度には教育環境研究所(東京都千代田区)に委託して基本計画を策定。今後の施設のあり方を明確にした上で、児童生徒のより良い学習環境を整えるため、建て替えの方向性を定めた。

 基本計画によると、整備方針として柔軟性の確保や発達段階に応じた教室や設備の整備、ICTの活用、安全性への配慮、学びと生活の場を整えることなどを掲げた。改築に当たっては、新耐震基準に適合する西側校舎(1985年建築、RC造2階建て延べ566平方m)は改修して使用し、このほかの施設は校舎や体育館などを改築する。校庭は多賀中学校の共用を踏まえて現在地とし、将来BRT路線となる東側道路は敷地の一部が道路となる可能性を考慮するとされた。

 整備規模は、全校で200人程度の児童が通える施設環境を整える。これに基づく計画面積案は、全体で約9250平方m(校舎棟約8100平方m、体育館約800平方m、プール約150平方m、放課後児童クラブなどの複合施設約150平方m、倉庫等約50平方m)を想定している。

 4月には、長寿命化工事を行う校舎棟の耐力度調査をエイプラス・デザイン(水戸市)に委託。5月には測量業務を新和技研コンサルタント(日立市)に委託している。

 プロポーザルへの参加形態は単体又は2者による設計共同体で、参加資格は建築士法の規定に基づく一級建築士事務所の登録を受けた者などとしている。

 候補者の決定は来年3月中を予定し、契約は24年度になる見通し。工事は25年度から着手するが、既存施設の解体工事を行いながら改築工事を進めていく考えで、工程などもプロポーザルでの提案を受ける。施設は完成したものから順次供用を開始する見通しで、27年度末までに校舎や体育館などの主要施設の工事を終え、28年度に外構工事を実施して事業を完了する運びだ。

 問い合わせは、教育委員会学校施設課(電話・直通050-5528-5122)まで。

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