概算工事費に41億円 陸上競技場 24年度から基本・実施設計(つくば市)
[2023/11/25 茨城版]
つくば市は、第6回「陸上競技場(仮称)整備基本計画策定検討会議(座長・有田智一筑波大学システム情報系社会工学域教授・理工学群社会工学類学類長)」を市役所で開催した。会議では基本計画案について検討を行った。それによると、観客席はメインスタンド600席、バックスタンド300席の規模とし、概算工事費は41億3850万円と試算。12月中旬にはパブリックコメントを開始し、来年2月末までには基本計画を策定する見通しだ。陸上競技場は24-25年度に基本・実施設計を策定し、26-27年度に整備工事、27年度末の供用開始を見込んでいる。
同会議は市民を含む11人の委員で構成されており、旧上郷高校跡地の利活用として陸上競技場の整備を検討している。基本計画策定支援業務は、あい造園設計事務所(東京都杉並区)が担当している。
陸上競技場は全体をバリアフリーでコンパクトな動線とし、円滑な移動が可能な環境整備に努め、障害者スポーツが可能な施設や設備、駐車場を検討していく。
施設は第4種公認(第3種相当整備)で、400mトラック1面(全天候型舗装8レーン、直線のみ9レーン)、インフィールドはサッカーや、やり投げなどの多目的な利用を想定して天然芝とする。観客席は2階建てとし、メインスタンド600席、バックスタンド300席、芝生スタンド2000席で、メインスタンドとバックスタンドには屋根を設ける。管理棟は本棟に管理事務所やカームダウン・クールダウンルーム。分棟に本部室、放送室、記録室、医務室、多目的室(会議室、地域の交流拠点)、更衣室、シャワー室、ウェイトトレーニングルームなどを設置。このほか、倉庫や屋外トイレ、80m×5レーンの雨天走路および大型屋根を設置した多目的広場(サブグラウンド機能、ウォーミングアップ空間)、園路、ウォーキングコース、ジョギングコース、駐車場、防災機能として避難場所(車中泊を想定)や物資輸送の中継地点などを整備する。
駐車場は、普通車用が常設480台、臨時150台の合計630台。身体障害者用が63台、バス用が25台、自転車用が398台を収容可能とする。
整備面積は約7ha(北側敷地約3.1ha+南側敷地約3.9ha)で、校舎や附属施設が残る学校敷地および運動場とする。上郷高校跡地には、本館や特別教室棟、体育館、格技場、合宿所など10棟(延べ9498平方m)の建物が立地しているが、陸上競技場は、これらを解体した跡地に建設する。計画地を分断する市道3-2189号線は廃道として、敷地を一体的に活用する方針だ。
概算工事費は、新施設の整備に33億5750万円、既存建築物の解体に7億8100万円の合計41億3850万円を見込んでいる。内訳は解体工事のほか、競技場本体に21億2750万円、多目的広場に1億0500万円、その他に11億2500万円を投じる予定だ。
管理運営手法は、陸上競技場の管理・運営の一体的取り組みを推進し、市民のニーズに対応したサービスを提供するため、民間資金やPPPなどの手法の導入を検討する。概算維持管理費には8850万円を想定している。
スケジュールは、24-25年度で基本・実施設計と解体設計、25年度に解体工事、26-27年度に建設工事を行い、27年度末の供用開始を目指す。
市内には公式記録が取れる陸上競技場がなく、小中学生の陸上競技会などは他の自治体の施設を借りて開催している。このため、陸上競技場の整備は市民の要望が高く、急務となっていた。基本方針では市内の小中学生の公式陸上記録会や競技会、つくば陸上競技選手権大会の開催が可能な施設で、障害者や高齢者など誰でも利用できる施設の整備を想定している。