シオダ+DOGを選定 間々田新保育所の基本・実施設計(小山市)

[2023/11/21 栃木版]

 小山市は、間々田地区の間々田北保育所と網戸保育所を統合して新設する保育所の設計業務委託で公募型プロポーザルを実施し、シオダ+DOG設計共同体を最優秀提案者に選定した。今後は同設計JVに基本設計(事前調査、施設整備基本計画、地質調査業務など)や実施設計などを委託し、2024年10月31日までの期限で設計をまとめる。

 プロポーザルには、シオダ+DOG設計共同体を含め22者が参加し、1次審査で上位6者までを選定した。その後、審査委員会による審査の結果、シオダ+DOG設計共同体は150点満点中123点を獲得して最優秀提案者に選定された。

 審査委員会は、シオダ+DOG設計共同体の提案について▽子どもの生活と遊びを理解し、動と静の両側面を引き受けられる空間となっている▽地域のシンボルをモチーフにしたデザイン、市内で生産される建築材料、地元で生産される自然素材を採用し、地域から親しまれる内容になっている▽プレゼンテーションがわかりやすく熱意があった▽各保育室の配置、職員トイレの配置、ヨシズひろばの大きさや玄関まわりのスペース感など、扇状諸室の機能性、効率性の確保とともに平面計画詳細にはさらなる検討が必要-と講評した。

 間々田地区の間々田北保育所と網戸保育所は、統合を計画している。建設地は主要地方道明野間々田線沿いの間々田791-1外で、近隣を国道4号や東北新幹線が通っている。24年9月下旬に建築工事・電気設備工事・機械設備工事を発注し、26年1月に工事を完成させて新保育所を26年4月に開所する予定。整備事業費は10億円と試算している。

 シオダ+DOG設計共同体の提案内容は、「じゃがまいたで育む保育所」と題し、市の特徴を凝縮した地域の拠点となるような保育所をつくる内容。地域的特徴と連携して地域全体で子どもを育てる、多世代地域交流センターのような保育所を目指していく。

 構造材や内装壁材には県産材のスギを用い、渡良瀬遊水地内のヨシやヨシズで日影空間を設ける。間々田の重要無形民俗文化財である「じゃがまいた」をモチーフにし、緩やかな曲線を描く園舎を整備する。駐車場中央には屋根を設置し、建物外周の軒先は平屋住宅程度の高さとする。

 園舎は、曲線外周部に倉庫やトイレなどを配置し、内側に保育室を配置する。ステージ、幼児遊戯室、会議室、調理室、職員室、会議室なども設け、内周にランチルームやエントランスホールを配置する。ランチルームに囲まれるようにデッキを整備し、デッキ中央にシンボルツリーを植樹する。

 南側に伸びた園舎には、保育室などのほか園児プレイルームを配置する。短い動線で保育が可能で、奥行きあるポーチで混雑を緩和し、エントランスはスロープを設置してバリアフリーに対応する。園舎の南には園庭を設け、120mトラック、遊具、芝生広場、子どもの山、ヨシズひろばなどを設ける。

 環境技術では一次エネルギー消費量を半分にするZEB Readyを実現し、ドライミスト、雨水貯留タンクも活用する。太陽光発電や発電した電気のポータブル蓄電池、発電機などで災害時にも対応する。設計業務を進めるにあたっては適切な時期にVE提案を行い、森林組合など材料提供側と早期に連携して材料の安定供給に努めていく。

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