来年度は防波堤工20m 歌津の石浜漁港で延伸(宮城県 南三陸町)
[2023/11/18 宮城版]
南三陸町は漁港施設機能強化事業で、石浜漁港の平棚防波堤を延伸しており、本年度に延長5m、来年度に延長20m程度の防波堤本体工事を発注したい考えだ。工事費は本年度が約1億円、来年度が約3億円を見込む。本年度の工事は一般競争入札を公告済みで、20日に開札して落札者を決める。来年度の工事延長は予算の配分状況によって変わる可能性もある。
平棚防波堤は歌津字平棚地区にあり、湾の内側に向かって延長70m程度を延伸する。幅は既存の防波堤よりも狭くなる見込み。新しい防波堤の前面には消波ブロックを置く。
2022年度に初弾工事として延長10mの防波堤工事を阿部伊組(南三陸町)に発注した。工事内容は場所打ち式による610㎥の本体工や、419㎥の上部工、25個の消波工(30t型)など。工期は当初が3月31日までだったが、12月29日まで延ばした。
本年度は延長5mの防波堤工事を一般競争入札で発注する。工事内容は場所打ち式による303㎡の本体工と、626㎥の上部工。本体工は型枠の面積を表しており、コンクリートのボリュームが上部工で表したものとなる。工期は2024年3月31日まで。
平棚防波堤の延伸は、全体事業費に10億円程度を見込んでいるものの、物価高騰などを受けて今後に変更になる可能性がある。25年度までの全体完成を目指している。25年度は本体工や上部工と、消波ブロックの設置工事を発注する予定。
工事費の配分額は22年度が1億9000万円、22年度が1億円で、24年度が約3億円を見込む。残りは全て25年度分となる。事業費は漁港施設機能強化事業の補助金を活用する。
町では現在、石浜漁港のほか、ばなな漁港でも同事業の補助金を使って防波堤工事を行っているが、ばなな漁港は本年度に発注する工事で完了するため、来年度以降は石浜漁港の方に重点的に事業費を投入できると考えている。
平棚防波堤の延伸工事に必要な調査設計業務はアルファ水工コンサルタンツ(仙台事務所・多賀城市)に委託した。同社は消波ブロックの設計業務も担当した。
発注予定に工事16件
同町は今月に入って工事の発注予定を更新した。1日時点で16件を発注する見通し。主な工事は、ばなな漁港の沖防波堤整備工事を年度末ごろに一般競争入札で発注する予定。
ばなな漁港は漁港施設機能強化事業の補助金を活用し、歌津字中山地区で中山沖防波堤を改修している。本年度に発注する工事は最終工で、施工延長が66・7m。工事内容は30t型の消波ブロックを248個設置する。概算工事規模は2億円以下。測量設計業務はアルファ水工コンサルタンツに委託した。
ばなな漁港の工事以外では、土木工事13件と建築工事2件を発注する。このうち一般競争入札は土木工事の3件で、石浜地区の防波堤整備工事など2件が公告済み、残り1件が町道松坂線の道路災害復旧工事その1。
同線の工事は81㎡のコンクリートブロック積み工や、下層路盤工を施工する。概算工事規模は1000万円以下。来年1月に入札発注する。
建築工事は、月内に町営林際住宅の解体工事、12月に平成の森の管理棟浴室・レストラン屋根修繕工事を指名競争入札で発注する。