台風13号災害検証会議が初会合 一宮川の浸水対策を検討へ(千葉県)
千葉県は17日、台風13号の記録的な大雨により、一宮川流域で甚大な浸水被害が発生したことを受け、災害を検証する会議の初会合を千葉市内で開いた。県土整備部の池口正晃部長は、浸水メカニズムを明らかにし、河川整備計画を上回る降雨に対する浸水対策の検討を本格化する考えを示した。
会議名は「一宮川流域における令和5年台風第13号による災害検証会議」。委員は学識経験者3人で構成し、オブザーバーとして弁護士2人が参加している。座長に就任した加藤孝明東京大学生産技術研究所教授は「日本全体の流域治水の方向性を定めるモデルケースになるよう、最先端の議論をしていきたい」と意気込みを語った。
9月の台風13号では、県内で線状降水帯が発生し、一宮川中流域の茂原市で記録的な降雨を観測。一宮川流域の河川が氾濫し、甚大な浸水被害が発生した。浸水面積は1554ha、浸水戸数は2082戸。2019年10月の浸水被害に比べ、浸水面積は200ha減少し、浸水戸数は半減している。
この会議では、河川計画を大きく上回る降雨による浸水メカニズムを検証し、河川整備の効果や、外水・内水の影響度合いなどを明らかにするとともに、今後の浸水対策のあり方をとりまとめる。委員から「これまで進めてきた河川整備の効果が出ている」「浸水の深さだけでなく、氾濫した水の量も考慮してほしい」などの意見が出された。
一宮川水系ではこれまで、19年の大雨と同規模の降雨に対して、河川の上下流バランスに配慮し、流域市町村と連携しながら総合的な浸水対策を進めていた。