歩道橋設置に着手 国道400号など 期成同盟会が整備要望
[2023/11/17 栃木版]
国道400号バイパス建設促進期成同盟会(会長:渡辺美知太郎那須塩原市長)と新幹線那須塩原駅関連道路整備促進期成同盟会(同)は、県庁で関係する路線の整備促進に関する要望活動を行った。要望内容は、国道400号バイパスが西赤田工区の早期整備など、那須塩原駅関連道路が国道294号や主要地方道大田原芦野線、県道東小屋黒羽線の道路改良の推進など。これに対し、県県土整備部の坂井康一部長は西赤田工区について、本年度は引き続き用地取得と道路改良を実施していくほか、横断歩道橋の設置にも着手すると説明した。
渡辺会長は「コロナ禍でリモートワーク、テレワークが普及し、那須塩原市は移住者が増えている。また那須塩原駅周辺は再整備で、県内外の民間企業が集積してきている。これらの人や企業はインフラの整っている所から集まっており、地方移転の促進にインフラの整備は重要」と述べて、県の尽力を求めた。
国道400号は、FIT地域の3県を結ぶ広域的な幹線道路であり、地域住民の生活・産業・経済を支え、さらに重要物流道路としての役割を担うなど、重要な道路となっている。2022年3月には、下塩原バイパスの潜竜峡トンネル、留春大橋、夕の原橋と、西三島地内の三島工区が供用を開始し、安全な通行が可能となった。
しかしながら、西三島地内から上赤田地内までの未整備区間は、主要な交差点に右折車線が無く円滑な交通に支障を来たしている。このため県は、三島工区に続き西赤田工区として整備を進めているが、地域住民の安全確保や高速道路・工業団地へのアクセス強化、および国道4号西那須野道路との一体的整備による交通ネットワーク強化のため、早期整備を要望した。
また、大田原西那須野バイパスや上赤田北地区など、供用開始から10年以上経過している区間もあることから、定期的な点検や維持管理など安全対策を実施して、安全で快適な通行の確保を図るよう要望した。
新幹線那須塩原駅関連道路は、県北東地域や茨城県から広域にアクセスするための国道294号や主要地方道大田原芦野線、県道東小屋黒羽線にそれぞれ未整備区間があるため、駅へのスムーズなアクセスができない状況にある。
今回要望したのは、国道294号が▽那珂川町小川地内の道路改良工事(交差点改良)▽大田原市佐良土地内の交通安全施設工事(歩道整備)500m▽大田原市狭原~小船渡地内の道路改良工事1000m-の3カ所、大田原芦野線は▽大田原市乙連沢~那須塩原市野間地内の道路改良工事1400m▽那須塩原市堀越~那須町黒川地内の道路改良工事4000m-の2カ所、東小屋黒羽線は▽大田原市黒羽向町地内の道路改良工事300m▽那須塩原市東小屋~三本木地内の道路改良工事(バイパス整備)1200m-の2カ所。県では改良工事などに一部着手しているが、3路線あわせて7カ所の早期完成を要望した。
要望に対し、坂井部長は国道400号バイパスについて「南側の三島工区は4車線化して22年3月に供用したが、西三島から上赤田地内はまだ暫定2車線で整備が終わっていない。要望区間は12年度から西赤田工区として4車線化工事に着手し、これまでに用地取得や道路改良工事を進めてきた。本年度は引き続き用地取得と道路改良を実施していくほか、横断歩道橋の設置工事にも着手していく」と進捗状況を説明し、引き続き那須塩原市や権利関係者の協力を得ながら事業を進めていく考えを示した。