[2023/1/14　宮城版]
　国土交通省塩釜港湾・空港整備事務所は、仙台塩釜港石巻港区の雲雀野地区に新岸壁を整備するため、細部設計業務を日本港湾コンサルタント(東北事務所・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては9日に簡易公募型競争入札を開札し、総合評価を経て同社が調査基準価格と同じ2293万円で落札した。予定価格は2882万円だった。新岸壁の工事は来年度から進める見通し。

　新岸壁はマイナス12mのケーソンタイプを想定。計画延長は270mで、うち30mが取り付け部となる。既存のマイナス10m岸壁とマイナス13m岸壁の間に整備する。マイナス10m岸壁には直接擦り付け、マイナス13m岸壁には取り付け部を設けて接続させる。

　新岸壁の基本設計業務は、仙台港湾空港技術調査事務所が沿岸技術センター(東北支部・仙台市青葉区)・ニュージェック(東北支店・仙台市青葉区)設計JVに委託している。この業務でケーソン、桟橋、矢板などのタイプを比較検討し、岸壁の構造や大きさを正式に決定する。

　今回の細部設計業務は、基本設計が固まり次第、着手する。現時点ではケーソンを想定しているため、ケーソン内の配筋計算、数量計算、設計波の算定、図面の作成などを行う予定。業務の履行期間は2024年2月29日まで。

　新岸壁の整備は、雲雀野地区の国際物流ターミナル整備事業で実施する。事業期間は2025年度までだが、本年度に事業評価を受ける予定で、事業期間の延長などについて承認を求めることになる見込み。年末か年明けごろに事業評価監視委員会の開催が予定されている。

公有水面埋立承認の願書作成も落札

　同事務所は、雲雀野地区にマイナス12m岸壁を新設するに当たり、公有水面の埋立願書作成業務も日本港湾コンサルタントに委託する。業務委託に当たっては9日に簡易公募型競争入札を開札し、総合評価を経て同社が592万円で落札。予定価格は744万円だった。1000万円未満の業務のため調査基準価格は設定されていない。

　新岸壁の整備に関しては、県から埋め立ての承認を得ているものの、新岸壁の断面を見直した結果、埋め立て区域が少し増える見込みのため、その分の願書を提出する。

　同業務では願書の作成と、設計概要説明資料の整理や、環境保全対策を記載した図書の作成も行う。履行期間は24年3月27日まで。