残る下部工を施工 黒磯那須BP 整備促進期成同盟会が要望
[2023/11/7 栃木版]
主要地方道矢板那須線・那須西郷線・西那須野那須線道路整備促進期成同盟会(会長:渡辺美知太郎那須塩原市長)は、県庁で主要地方道3路線の道路整備に関する要望活動を行った。対応した県土整備部の坂井康一部長は、西那須野那須線の黒磯那須バイパスについて、本年度は用地買収を完了させるとともに、那珂川橋(仮称)の残る1基の下部工と上部工の桁の製作、および道路改良工事を実施していくと説明した。
矢板那須線と同那須西郷線は、矢板市を起点に主要観光拠点である塩原温泉や那須高原へのアクセス道路となっており、さらには福島県西郷村へと通じる幹線道路。しかしながら、歩道が未整備のほか幅員が狭あいで、急カーブ・急こう配といった非常に危険な区間があり、県で改良工事などに着手している。
また西那須野那須線は、那須塩原市と那須町をつなぐ重要な道路で、現在は那珂川に架かる新たな橋梁の整備に着手している。同盟会では引き続き、これら橋梁工事および歩道未整備区間や暫定2車線区間の整備促進について、早期整備促進を要望した。
要望箇所は、矢板那須線が矢板市片岡地内の街路工事(延長1040m)、同市下太田地内~田野原地内の交通安全施設工事(同2700m)、那須塩原市宇都野地内の交通安全施設(歩道整備)工事(同200m)、同市金沢地内(堰場)の道路改良工事(同980m)、同市高林地内~木綿畑地内の道路改良工事(同500m)の5カ所となる。
那須西郷線は、那須町大沢地内~北沢地内の道路改良工事(延長500m)と、同町大谷地内~綱子地内の道路改良工事(同1000m)の2カ所。西那須野那須線は、那須塩原市黒磯地内~那須町筒地地内の道路改良工事(同2000m)と同市埼玉地内~唐杉地内の交通暗線施設(歩道整備)工事(同1300m)、同市西遅沢地内~上中野地内の道路改良工事(同2200m)の3カ所を要望した。
これに対し、坂井部長はこのうち西那須野那須線の黒磯那須バイパスを取り上げて、「特に行楽シーズンには渋滞が非常に大きな課題。また朝夕の通勤・通学時間帯でも渋滞が発生しており、沿線住民や観光客の円滑な通行に課題があるため、バイパスを整備している」と説明した。
続けて「本年度は用地買収を完了させたい。あわせて橋脚下部工事も順次進めており、残る1基の下部工工事と橋梁の上部工の桁製作と道路改良工事を本年度に実施していく。今後とも地元の協力を得ながら、25年度の開通に向けて取り組んでいく」と話して、事業への理解を求めた。
西那須野那須線は、市町境を流れる那珂川に分断され、上下流には渡河する橋梁が少ないことから、那須塩原市街地に直結する晩翠橋に交通が集中し、通勤時間や観光シーズンに渋滞が発生して沿線住民や観光客の通行に支障をきたしている。
このため県は、16年度から現道の西側に新たな橋梁を含むバイパス(黒磯那須バイパス)を新設している。総延長は約2070mで、標準幅員は片側歩道部が12.0m、両側歩道部が14.5m。主要構造物は那珂川橋(仮称)1橋で、橋台2基と橋脚4基の下部工を21年度から段階的に発注している。
また上部工は、延長252.0m、幅員6.5m(12.0m)の鋼5径間連続非合成細幅箱桁橋1連の製作、架設で、昨年10月に条件付き一般競争入札を開札し、川田・巴・古河JV(富山県)が16億2600万円(税抜き)で落札している。