県植物園を刷新へ 基本計画のプロポ手続き開始(県林政課)

[2023/11/2 茨城版]
 県林政課は10月25日、県植物園等施設整備の基本計画に係る公募型プロポーザルの手続きを開始した。対象はきのこ博士館を除く県植物園と県民の森全域とし、施設のリニューアルを進めていく。その際には民間アイデアを活用し、植物園型リゾートやテーマパークという発想で施設の整備を検討していく。提案上限額は税込773万3000円とし、委託期間は24年1月12日に設定。企画提案書の提出は11月15日まで受け付ける。施設整備の方向性については、年度内にも決定する見通しだ。

 この業務は老朽化や利用者減少が進む県植物園と県民の森のリニューアルを行うもの。その際には、民間のアイデアを活用し、新たなコンセプトを導入することを想定する。20年には基本構想をそら植物園(大阪府池田市)で策定。基本構想では、地域の観光資源となるオリジナリティーあふれる植物園を目指し、植物園型リゾートや植物園型テーマパークという発想で施設整備の検討が必要だと指摘された。その後、事業はコロナ禍の影響などを受けて中断していたが、このほど、事業を再開し、基本計画に着手することになった。

 業務内容としては、▽施設整備と事業の提案▽施設概略図の作成▽施設の整備効果による収支計画の作成▽概算事業費の算出▽事業手法の検討▽実行体制と管理・運営手法の提案▽リニューアルオープンまでの事業スケジュールの作成──などを盛り込む。

 また、既存施設を現状分析したところ、スタンダードな樹種が多数植えられ特色がないことや、施設内に管理不良で対応が必要な枯損樹木など、見直すべき箇所が多数存在していることが判明。そこで県では、既存施設の問題点を整理し、マーケティングや他類似施設の状況を踏まえ、賑わいを作り、地域の観光資源となるオリジナリティー溢れる植物園を目指していくとした。その際には、植物園型リゾートや植物園型テーマパークという発想で施設整備の検討が必要だと明記。現時点では、具体的な施設機能を決定しておらず、事業者の幅広い提案を踏まえて、リニューアルの内容を決定していく。

 このほか、これまでの県民の森利用者への配慮や、県産木材の利用などについても基本計画の考慮すべき事項として挙げている。

 施設の規模は、植物園が12haで、内部に管理事務所(RC造250平方m)や研修資料室(RC造170平方m)、展示室(RC造280平方m)、レストハウス(RC造166平方m)、熱帯植物館(SRC造2694平方m)を配置。県民の森は64.7ha、森のカルチャーセンターは木造648平方m、きのこ博士館は木・RC造1148平方mとなる。

 なお、これらの施設の多くは築後40年以上が経過している。そのため、今後は熱帯植物館のエレベーター更新をはじめ、空調機や電気設備、給排水設備の更新を計画的に行う必要があるという。そこで、基本計画では、リニューアルの内容を踏まえたうえで、改修や建て替えなどの対応を含めて検討していくことになる。

 応募資格は単体企業または複数企業で構成するグループであることなどが求められる。

 説明書の交付は15日までとし、企画提案書の提出は16日まで受け付ける。プレゼンテーションは20日から24日の間に開催し、その後、事業者を決定する予定だ。

 問い合わせは、県林政課森づくり推進室(電話029-301-4021)まで。

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