新消防署新築に設計費 補正予算で債務負担設定(仙南広域事務組合)
[2023/11/1 宮城版]
県南の2市7町で構成する仙南地域広域行政事務組合(管理者・滝口茂柴田町長)は角田消防署の移転建て替えに向けて、庁舎の建築設計に着手する。設計委託費は一般会計10月補正予算に期間を2023~2024年度とする限度額9516万1000円の債務負担を設定。10月31日に予算が可決した。基本・実施設計を一括で委託し、来年10月ごろまでにまとめる想定。25年度の建築着工を目指す。
老朽化や狭あいが課題の角田消防署の移転建て替えに向けては、地元角田市が建設用地の確保と造成工事、組合が施設の設計と建設工事を分担する。建設予定地は、梶賀字高畑南地区の約4400平方m。角田警察署北東約200mの位置で、市の中心部かつ幹線道路に面し、利便性も高い。この場所は東日本台風で浸水被害を受けなかった。
用地は取得済みで、造成に向けた調査測量設計業務を大江設計(仙台市青葉区)が進めている。市は造成について24年度に予算措置し、工事発注する見通し。
組合は造成完了後、建設工事に着手できるよう、新消防庁舎の設計を進める。今回、組合議会10月定例会で債務負担行為が認められたことから早期に業務委託し、本年度内の契約を目指す。24年10月をめどに設計を終わらせる。基本・実施設計業務の入札・契約方法は指名競争入札となりそうだ。
新しい角田消防署は東日本台風を教訓に水防機能を強化する。庁舎棟はRC造2階建て延べ1500平方m程度の規模を見込み、訓練塔、ヘリポート、駐車場などを備える見通し。22年度に策定した建て替え基本方針の段階で、概算事業費(訓練棟や設計費含む)に12億7000万円を試算していた。建設工事については24年度中の契約を計画している。
なお、可決した一般会計10月補正は、債務負担の設定のほかに地方債に関する財源の組み換え、予備費の計上などを行った。