ホール関連で35億円 新文化会館 候補地は2カ所を想定(日光市)

[2023/10/31 栃木版]

 日光市は27日、市庁舎で公共施設等あり方検討調査特別委員会を開催した。この中で、新文化会館の建設に係る特別委員会からの質問事項に対する執行部からの回答と、第7回市民委員会における委員からの意見についての協議を行った。新文化会館の建設費用は、ホール関連施設で概算35億3500万円のほか、複合機能を概ね5億円を目安に検討。建設地は現今市文化会館跡地と七里地内の2カ所を想定し、造成費用として今市文化会館跡地が5億5200万円、七里地内が9憶8300万円と用地補償費など1億1200万円を計上する。また設計や工事監理などの業務委託費に、概算額4億4800万円を提示した。

 市は同特別委員会の中で、新文化会館建設費用について、施設規模を客席数800席、延べ床面積約4500平方mのRC造を想定し、複合機能施設を除いた本体となるホール関連施設の建設費用を概算35億3500万円と報告した。また複合機能は、子育て支援機能および世界遺産ガイダンス機能部分の施設単体での概算建設費について、概ね5億円を目安に内容を検討していく方針を示した。

 建設候補地については、現今市文化会館跡地と七里地内を想定している。造成費用は、今市文化会館跡地が5億5200万円、また七里地内では9憶8300万円と、1万8930平方mの土地買収費用として補償費、用地測量費も含め1億1200万円を計上した。このほか、基本構想策定業務および今後行う基本計画、基本設計、実施設計、工事監理に必要な経費として、業務委託費概算額4億4800万円を示した。

 敷地面積や進入路の整備については、今市文化会館跡地利用の場合、敷地面積は現状の2万平方mとし進入路も現状を利用するが、県建築基準条例に従い道路と敷地の接する長さを延長するため、現在の敷地を利用した道路整備を行う可能性も示唆した。

 七里地内で整備した場合は、買収する1万8930平方mに市有地の1万2220平方mを加えた合計3万1150平方mを想定し、進入路は新たに整備する。進入路は機材搬入などで大型車両の通行も見込まれるため、幅員10.5mの2車線道路で片側に歩道整備を想定している。

 建設地の選定は、各候補地ごとにメリット・デメリットがあるため、それらを整理したのち、まちづくりや地域の発展性、財政面などを考慮し、複合機能の選定とも合わせて判断する。

 複合機能のうち、子育て支援機能については既存の子育て支援施設との関連性を踏まえて判断していくとし、文化会館の付帯施設として小さなキッズスペースは設置する考えを示した。また世界遺産ガイダンス機能については、地元小中学生や修学旅行生の学習の場となる規模で検討し、費用対効果やランニングコストを考慮した上で判断していく。

 事業費は、基本構想の委託料について12月補正予算で本年度委託費の繰越明許対応も検討するとし、基本計画と基本設計は24年度の補正予算で対応したいと説明した。

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