災害対策の推進を 地方自治4団体が県に要望活動

[2023/10/28 茨城版]
 地方自治4団体連絡会議(代表・高橋靖市長会長)は24日、県市町村会館で「4団体と知事との県政要望に関する懇談会」を開催した。このなかで連絡会議から大井川和彦知事に対し、4分野13項目50件におよぶ24年度の県政に対する要望書を提出。重点要望事項には、災害対策の推進として、久慈川・那珂川の緊急治水対策プロジェクトや、二級水系の流域治水プロジェクトの推進などを盛り込んだ。あわせて、河川や道路、橋梁関係で計136カ所の整備促進を求めた。

 同連絡会議は、県市長会(会長・高橋水戸市長)と県市議会議長会(会長・大津亮一水戸市議会議長)、県町村会(会長・中島栄美浦村長)、県町村議会議長会(会長・飯田英樹大洗町議会議長)の4団体で構成。懇談会には、連絡会議側から構成する4団体の正副会長や顧問らが出席。県執行部側からは大井川知事をはじめとする幹部職員が出席して、連絡会議からの要望に耳を傾けた。

 要望に先立ち、あいさつに立った高橋会長は県の魅力向上に向けた取り組みに触れたうえで、「引き続き本県のさらなる魅力向上と新しい魅力づくりに向けて、全力で各種施策を推進してほしい。我々市町村としても、今後も県と連携を取りながら茨城の発展にまい進していく」と述べた。続けて、重点要望事項の内容を説明し、特段の配慮を求めた。

 これに対して、大井川知事は重点要望事項の内容に返答。災害対策については、内水氾濫や小さな河川の氾濫に触れ、「二級水系を含めた対策を進めていくとともに、必要な改修事業の予算措置を講じるよう政府に要望を行っていきたい」と述べた。

 4団体が取りまとめた要望については、県の総合計画と連動しており、▽新しい豊かさ▽新しい安心安全▽新しい人財育成▽新しい夢・希望──の4分野で構成する。いずれも市町村の最重要課題として重点的な取り組みを要望するとともに、特に早急な対応を求める5項目を重点要望事項として説明した。

 重点項目は、▽子ども施策の充実強化▽災害対策の推進▽原油価格・物価高騰対策への支援▽医師確保対策の推進▽ALPS処理水の対応──となる。このうち、災害対策の推進では、気候変動による豪雨の激甚化、頻発化を踏まえ、久慈川・那珂川の緊急治水対策プロジェクトと、県内一級水系の流域治水プロジェクトについて、国と県、流域市町村が連携し、河道掘削や堤防整備などを迅速に実施できるよう国に働きかけることを要望。あわせて、県二級水系流域治水プロジェクトの着実な推進を求めた。このほか、市町村管理河川の改修に向けて財政支援を拡充するよう、国に働きかけることも要望している。

 重点項目以外の新規項目の主なものとしては、「新しい豊かさ」の新たな産業用地の確保と企業立地の加速化の項目で、水戸外環状道路の整備促進を要望。同線を整備することで、茨城港常陸那珂港区と常磐自動車道を結ぶ物流ルートの整備効果が地域経済へ波及することを求めた。

 また、同項目では県施行の産業用地開発において、「ハザードマップ上の浸水想定区域外であること」の撤廃にも言及。基本的な要件の緩和・見直しを行い、企業立地に関する手続きが円滑に進むよう、市町村の取り組みに対して支援を図ることを要望した。

 また、河川や道路、橋梁関係の要望箇所は合計136カ所となった。このうち、新規分は、4カ所となる。内訳をみると、河川改修事業の促進では、利根町が新利根川改修事業の早期完成を要望した。

 県道では守谷市が取手豊岡線(野木崎・大木地区)の歩道整備の早期完成、常陸大宮市が笠間緒川線(下伊勢畑地内)の整備促進、坂東市が土浦境線の整備促進を求めている。

 要望内容説明後には、意見交換を実施。それぞれの立場から、県政発展に向けて忌憚のない意見を交わした。

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