新公会堂で市民委 12月にも建設候補地を選定へ(古河市)
[2023/10/27 茨城版]
古河市は17日、総和庁舎で、「新公会堂(仮称)基本構想・基本計画市民委員会(委員長・小林真理東京大学院教授)」の第2回会合を開催した。会合では、▽市民アンケート結果▽市内の既存文化施設▽施設に求められる機能▽建設候補地──を議論。建設候補地については、2つの建設エリアから3カ所を提案した。11月21日に開催予定の第3回委員会で絞り込み、12月中に1カ所を選定する予定。今後は23-24年度で基本構想・基本計画をまとめ、30年度ごろに開館する見通しとなる。
6月に実施した市民アンケートによると、立地の面で周辺の道路や駐車場に恵まれ、公共交通機関でアクセスしやすい場所が望ましいとする意見が多かった。
また、施設に求められる機能としては、ホール機能を備え、コンサートなどが開催できることが重視されている。主要機能の大ホールの性格付けによって、求められる機能や望まれる立地などが大きく異なることが示された。
建設候補地はこれまで、「古河駅周辺から古河駅東部周辺エリア(Aエリア)」と「諸川周辺エリア(Bエリア)」の2つのエリアが挙げられていた。今回は必要な敷地面積1ha以上を確保できることを条件にAエリアから2カ所、Bエリアから1カ所の合計3カ所を抽出した。
候補地1は、十間通り沿いの旭町2丁目21-4の古河体育館が立地する市有地で、敷地面積は約1ha。JR宇都宮線古河駅からは約1.7kmに位置する。周辺には飲食店や住宅などが建ち並んでいる。古河体育館は施設の老朽化に伴い21年9月に閉鎖されたが、既存建物は残っている状況にある。
候補地2は、大堤地内の民有地で敷地面積は約17ha。古河駅からは約1kmに位置する。予定地は主に農地で、未来産業用地開発事業が予定されている。
候補地3は、諸川地内の旧古河産業技術専門学院跡地の市有地で、敷地面積は約3.3ha。古河駅からは約9kmの距離となる。敷地内には既存校舎や樹木、野球場などが残ったままの状況にある。周辺には店舗や住宅地が立地している。
抽出された候補地は、[1]上位計画の位置づけ[2]交通の利便性[3]災害のリスク[4]周辺環境への配慮[5]周辺まちづくりへの波及効果[6]敷地面積[7]法規制──の7項目で評価し、1カ所に絞り込むことになる。
基本構想・基本計画策定支援業務は、シアターワークショップ(東京都渋谷区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当。基本調査報告書(アンケートなど)は24年1月、中間報告書は24年9月、民間活力導入可能性調査報告書と基本構想・基本計画は25年2月までにまとめて公表する予定だ。
市には、市民の文化芸術を支える集客施設がないため、課題となっている。新公会堂は、▽文化芸術の拠点▽新たなコミュニティの形成▽次世代の育成▽まちづくりの推進──の4つを基本的な役割とする。
新公会堂のあり方は、市民の文化芸術活動と交流の拠点機能をメインとしながらも、県西地域の中心的都市の運営に欠かせないコンベンション機能などを備えた施設とする。さらに、市のランドマークになるような施設で市民が誇りと愛着を持ち、市外の人も訪れたくなる文化芸術の拠点施設とする。また、災害時の拠点施設として、市民の安心と安全を確保する方針となる。
今後の事業のスケジュールは、23-24年度で基本構想と基本計画をまとめて、26-27年度には基本設計と実施設計を策定する。その後、28-30年度に建設工事を実施し、30年度ごろの開館を見込んでいる。