来年度に基本設計 道の駅 地研コンサルで地質調査(那珂市)
[2023/10/24 茨城版]
那珂市は、那珂IC周辺地域における複合型交流拠点施設「道の駅」整備事業で、このほど、地質調査と軟弱地盤技術解析業務を地研コンサルタンツ茨城支店(水戸市)へ委託した。委託料は1140万円となり、24年3月末までに調査を完了する予定だ。また、維持管理・運営主体となる第3セクターの設立に向けて、26日に「第3セクター設立準備委員会」を立ち上げる。委員会は3月末までに4回程度開催する見込み。道の駅の整備では、24年度に基本設計に着手する予定。その後、25年度に実施設計を行い、26年度に造成工事を実施する見通しだ。
本年度は22年度にまとめた基本計画に基づき、候補地の測量を12月末までにかつら設計(城里町)で進めているほか、整備に向けた管理運営体制の構築を行う。また、経営アドバイザー業務を船井総合研究所(大阪府大阪市)へ、運営企画アドバイザー業務をJTB水戸支店(水戸市)へ委託し、近く業務に着手する見通し。また、道の駅のポイントとなる直売所の運営に向けて、「出荷者組合設立準備委員会」を設置する考えだ。
道の駅の整備候補地は飯田押敷交差点北西側で、那珂インター線と菅谷・飯田線(バードライン)に面している。開発面積は約4.5ha。那珂ICからのアクセス性が良く、平坦で整形な敷地が確保できるが、市街化調整区域で農業振興地域用地区域となる。候補地に沿って那珂インター線と菅谷・飯田線を結ぶ外周道路を新設するほか、外周道路から那珂インター線へアクセスできる交差点と、菅谷・飯田線の北側へ信号機を設置した交差点を新たに設ける予定だ。
道の駅は子育て支援に重点を置き、全天候型プレイゾーンや芝生広場・水広場を整備する。施設は「那珂でつながる道の駅」をコンセプトとし、那珂ICと地域内外の魅力をネットワーク化し、地域経済の活性化につなげる拠点を創出する。
施設の規模は、屋内面積が2880平方m、屋外面積が4万2120平方mの合計4万5000平方mと試算している。このうち、屋内施設には、道の駅の基本機能である休憩機能(トイレ、シャワーブース、コンビニエンスストア)と情報発信機能(情報提供コーナー・無料休憩スペース)、那珂でつながる機能として、農畜産物直売所・特産品販売コーナー、飲食施設、加工施設・ベーカリー、コミュニティスペース・多目的室、ベビーコーナー・キッズルーム、全天候型プレイゾーンなどを配置していく見込み。
屋外施設には、駐車場に1万3000平方mを確保するほか、那珂でつながる機能として、屋根付きイベントスペースやドッグラン、ほ場、芝生広場・水広場、アスレチック遊具などを盛り込む。IC近接の立地を活かした機能として、交通結節機能(高速バス停留所、パークアンドライド、RVパーク)、防災拠点機能(防災設備)、緑地などを配置していく。
施設整備に係る概算事業費は25億9875万円と試算。このうち、デジタル田園都市国家構想交付金や社会資本整備総合交付金など、約7億6600万円の補助事業の採択を想定する。また、施設の配置計画は、一棟型と分棟型の2つの案を示しており、今後一つに絞り込む予定だ。
施設の事業手法のうち、整備・運営手法については「公設民営型」を導入。早い段階から運営者を選定し、運営者の意見を設計に反映させることが可能な運営重視型の事業スキーム(EOI方式)を採用した「指定管理者制度」での管理運営形態とする。道の駅の維持管理・運営主体は、指定管理者として「第3セクター」を設立し、行政と民間事業者などの連携による管理運営体制の構築を図る。
事業のスケジュールは、24年度に基本設計、25年度に実施設計をまとめる。26年度には造成工事、26-27年度に建設工事、27年度に外構工事を行い、28年度の供用開始を見込む。