浸水被害の応急対策 一宮川水系で大型土のう設置始まる 千建協長生支部が協力 (千葉県)
台風13号の接近に伴う記録的な豪雨により、一宮川水系や小中川で甚大な浸水被害が発生したことを踏まえ、千葉県県土整備部は応急治水対策に乗り出す。茂原市では23日、阿久川で大型土のうの設置が始まった。地域の安全・安心を守るため、県建設業協会長生支部(三枝輝久支部長)は全面的に協力している。
県の9月補正予算では、河川災害対策特別緊急事業の応急治水対策として、大型土のうなどの設置で2億1500万円を予算化。河川別の内訳は一宮川水系2億円、小中川1500万円となっている。
二級河川一宮川水系では、一宮川中流域のほか、阿久川や豊田川が越水し、茂原市街地で浸水被害が発生した。県一宮川改修事務所は、バック堤の整備が必要な区間のうち、コンクリートによる本設工事が完了するまでの間、応急的に大型土のうを設置する。
23日には阿久川で設置作業が始まった。県建設業協会長生支部の会員企業は、大型土のうの製作、運搬、設置の3班に分かれて作業を進めている。茂原市猿袋地区のストックヤードから現場まで運搬し、バックホウを使いながら、次々と大型土のうを設置している。
陣頭指揮を執る三枝支部長は「地域の守り手として、支部会員企業が一丸となって、スピード感を持ちながら取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
県一宮川改修事務所によると、阿久川では右岸のJR外房線から富士見橋までの約1km、左岸の折戸橋から富士見橋までの約400mでそれぞれ大型土のうを設置する計画。大型土のうは1400袋程度必要となる見込みだ。
小中川では
工事発注へ
二級河川小中川では、大網白里市のJR大網駅周辺で浸水被害が発生した。上流で越水したほか、高い位置から雨水が大量に流れ込んだことなどが要因として考えられるため、慎重に対策を検討する必要があるという。
県と大網白里市は合同で現地調査を実施し、大型土のうや止水板などの設置を検討している。県山武土木事務所は、大網白里市と協議しながら、11月中にも工事を発注したい考えを示している。