II期の継続を承認 国道6号日立BP 早期着工へ用地取得(関東整備局)
[2023/10/19 茨城版]
国土交通省関東地方整備局は、9月20日に開かれた本年度の第2回事業評価監視委員会において、国道6号日立バイパス(II期)の事業継続を了承した。22年度末現在で58%の進捗率となっている用地取得を引き続き推進し、盛土区間の早期工事着手を目指す。
国道6号日立バイパスは、日立市内の慢性的な交通渋滞緩和と交通安全の確保などを目的として、河原子町から田尻町までの延長10.5kmで計画するもので、1984年8月に都市計画決定した(当初は延長10.4km)。その後、94年には田尻町内の延長0.5kmが初開通し、08年3月には、I期事業として旭町から田尻町までの延長4.7kmが暫定2車線で供用を開始している。
II期事業は、未開通区間のうち、国分町から旭町までの延長3km(幅員21.75m)で計画する。12年度に事業化したあと、13年度には調査、15年度には用地取得に着手。国分町の南側起点部では、国道6号と国道245号を結ぶ鮎川停車場線が本年5月に暫定2車線で供用を開始した。
区間中、南側の国分町から会瀬町付近までは盛土区間とし、そこからI期区間へと結ぶ旭町までの北側は橋梁区間とする。
総事業費については239億1300万円と試算した。このうち、工事費には180億3500万円、用地や補償に24億7400万円、地質調査や測量、設計などの間接費に34億0400万円を充てる。現時点では用地取得の進捗率が58%になるなど、残事業費は196億1700万円となっている。
工事費の内訳は、改良費に95億7500万円を投じ、土工や法面工、擁壁工などを行う。橋梁費は80億9200万円で、橋長100m以上の橋梁を4橋(1243m)、100m未満の橋梁を2橋(123m)整備する。このほか、舗装費に3億4500万円、付帯施設費に2200万円を試算している。
事業評価委員会では今回、用地調査の結果、未相続の土地が多く相続人の捜索などで用地交渉が長期化し、事業期間が延伸して現時点での評価が必要となったことから審議対象とされた。
今後の対応方針として、II期事業の整備により交通の転換が図られ、交通渋滞の緩和、交通事故の減少が見込まれるとしたほか、港湾アクセスの向上による産業の活性化、観光交流機能の強化・地域活性化が期待されるとした。このため、交通渋滞の緩和、交通安全の確保の観点から、事業の必要性・重要性は高く、事業継続により早期の効果発現を図ることが妥当だと求めた。
また、本県からは、「国道6号現道の交通混雑の緩和や周辺地域の物流の効率性向上、道路整備による南北方向を結ぶアクセス性の向上により、地域資源を活かした観光・交流の発展などに大きく寄与するものと期待されることから、本事業の必要性は高く、事業を継続することは妥当と考える。早期完成に向けて、速やかに工事に着手するなど、事業を推進するとともに、徹底したコスト縮減を図るようお願いしたい」などの意見が添えられた。
委員会では、出席した委員から「災害時においてネットワークとして機能する道路は、速やかに完成できるよう事業を進められたい」「盛土部については、海岸沿いの構造物であることに留意して構造などを検討して頂きたい」などの意見が出された。