竜舞足利線で用地測量 事業概要 164工区に61億2809万円(安足土木)

[2023/10/17 栃木版]

 県安足土木事務所は、2023年度の事業概要をまとめた。補助・交付金事業が64件で42億2860万円、県単事業が100件で18億9949万円の、合計164件に61億2809万円を計画する。主な事業は、秋山川の大橋の架け替え工事で現道の撤去工事を進めるほか、家富町堀込線の中橋架け替えでも新設する側人道橋の下部工を実施する。新規事業では、足利スマートICへのアクセス道路となる竜舞足利線の整備を進める。 =2面に事業箇所

 一級河川秋山川では、河川激甚災害対策特別緊急事業と災害関連事業に取り組んでいる。東日本台風で佐野市内の2カ所が決壊し甚大な被害が出たことから、菊沢川放水路合流点から下流3000m区間の改良復旧を進めている。本年度は引き続き護岸工事を実施するほか、統合堰(仮称)の上下部工や上流に架かる中橋の架け替え工事などを進める。

 また、これに伴う都計道前橋水戸線(主要地方道桐生岩舟線)大橋の架け替え影響区間は、20年度から街路整備事業に着手した。本年度は、現道の上部工の取り壊しを行っており、下部撤去工事は9月中の指名選考委員会を経て10月にも発注する。引き続き新橋の下部工新設工事も、本年度末までに発注したい考えで、24年度には上部工の発注を予定している。

 護岸工事も下流から実施しており、25年度の事業完了を目指す。現在は東武佐野線の渡河橋の周辺と、JR両毛線より上流部を残しており、JR両毛線の渡河橋周辺は護岸工事が完了している。

 都計道3・5・102号家富町堀込線の中橋工区は、渡良瀬川の堤防嵩上げとあわせた中橋の架け替えやJR両毛線交差部の立体交差化で地域の安全・安心と円滑な交通を確保するため、21年度に事業着手した。主要地方道桐生岩舟線との交差部から東武伊勢崎線の高架下まで、延長約640mを鉄道高架区間、橋梁区間、および一般部に分けて実施しており、橋梁区間には、歩行者・自転車専用橋(側人道橋)も設けて現橋の3連アーチを移設する。

 22年度から側人道橋の下部工の建設に着手し、本年度は残りの下部工事を発注したほか、既存の3連アーチ橋を側人道橋の上部工として移設する工事も発注する。24年5月には下部工を完了し、仮設の側人道橋を設置して、24年秋には現在の橋梁を通行止めにして3連アーチを側人道橋に移設する。側人道橋を供用したあとは、現橋の下部工を解体撤去して、その跡地に新橋を整備する。

 新規事業の県道竜舞足利線は、群馬県太田市を起点とし足利市中心部に至る幹線道路で、市が22年9月に新規事業化した(仮称)足利スマートICへの唯一のアクセス道路として整備を進めている。延長は約1100m、幅員は14.5mとし、本年度は用地測量に着手した。24年度も用地測量を進め、物件調査や用地交渉を行う。

 県道佐野太田線の渡良瀬川に架かる川崎橋は、老朽化のため長寿命化修繕計画に基づく補修工事を進めている。本年度は塗装の塗り替え工事3件を発注済で、25年5月の事業完了を予定する。

 また同線の福居町地内では、御厨小学校の通学路であるにもかかわらず歩道が狭く、安全な通行に支障をきたしているため、20年度に拡幅事業に着手した。現道を幅員14m(車道3m×2、歩道2.5m×2、自転車通行帯1.5m×2)に拡幅する計画で、本年度も用地取得を進めていく。

 主要地方道佐野田沼線の上町西工区は、吉水小学校の通学路だが歩道が狭いため、3.5mに拡幅している。本年度は用地取得と取得済み箇所の工事を行い、24年度以降も用地取得を進める。

 都市計画道路3・5・301号築地吉水線の築地バイパスは、国道293号と県道栃木田沼線に接続する延長2.7kmを整備している。用地取得と改良工事を進めており、本年度分の工事2件をこのほど発注した。

 県道作原田沼線のバイパス整備は、3期目の改良工事や舗装工事などを発注しており、本年度末の供用開始を目指す。

 19年東日本台風で出水した一級河川旗川の寺岡町地区では、稲岡橋からJR両毛線までの区間で河道掘削などの整備を行っている。本年度は引き続き、用地取得と取得箇所の護岸工事を進める。

 一級河川姥川は、掘削や築堤で河道断面を拡大して流下能力を増大する。計画延長約3300mのうち、下流部分の国道50号から雉川合流点までの区間を優先して整備しており、用地取得を進めるとともに、まとまった箇所の工事を行う。

 一級河川菊沢川は河道拡幅で用地取得を進めるとともに、橋梁架け替えのための設計も行う。

 足利市の本城一丁目Aは、急傾斜地でがけ崩れから集落、市道を守るため、延長約190.5mの落石土砂防護柵を整備している。人家16戸を保全対象とし、24年度の事業完了を予定する。

 都市計画道路3・4・1号前橋水戸線の高砂町工区では、佐野市役所のある北側を市が区画整理事業で拡幅しており、県では南側の拡幅と電線地中化を進めている。引き続き用地取得と共に、工事可能な箇所で電線共同溝工事を発注する。

 都市計画道路3・4・3号赤見馬門線と3・5・201号高萩村上線の交差する高萩町工区は、通勤や商業施設への車両で渋滞が発生しているため、南進方向の車線を1車線増やし2車線とする。23年度は用地取得に努める。

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