圏央道大栄・横芝間26年度の開通へ 事業費450億円増加(国交省ら)

[2023/10/17 千葉版]
 開通時期の見直しを進めていた首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の大栄JCT~松尾横芝IC間について、2026年度の開通を目指すことが明らかになった。土質改良の追加や労務費・材料単価の上昇などの影響により、事業費は450億円増加する見通し。18日に開催される関東地方整備局事業評価監視委員会で審議する予定だ。

 国土交通省やNEXCO東日本、県で構成する圏央道(大栄JCT~松尾横芝IC)連絡調整会議の第2回会合で報告された。会議には千葉国道事務所の藤井和久所長、NEXCO東日本千葉工事事務所の笹原壮雄所長、県道路計画課の横田彰洋課長の3人が出席した。

 大栄JCT~松尾横芝IC間(延長18.5km)については▽用地の未取得箇所▽芝山トンネルの掘削▽重金属への対応▽機能補償道路工事(跨道橋)の入札不調──などの課題が出てきたため、開通見通しを見直す方針が示されていた。

 その後、全線で用地取得が完了するなど、これらの課題を解決する見通しが立ったため、全体事業工程を再検討し、開通見通しをとりまとめた。

 大栄JCT~松尾横芝IC間の開通見込みは26年度とする。このうち、課題の影響が少ない大栄JCT~仮称・国道296号IC間(延長9.1km)の開通については、1年程度の前倒しを目指す。

 これらの計画変更に伴い、事業費は1490億円から1940億円に増加する見込み。事業進ちょくや事業費の増加も含めた事業の必要性については、事業評価監視委員会で審議する。

 沿線地域では、圏央道の全線開通を見越して、新たな開発が計画されるなど、県民や経済団体から開通に対する期待が高まっている。そのため、調整会議では開通見込みを確実に達成するため、関係者間で課題を共有しながら、協力していくことで一致した。

神崎PA一部25年度に供用へ

 圏央道(千葉県区間)休憩施設調整会議の第4回会合も開かれ、圏央道に新設する神崎、山武両パーキングエリア(PA)の供用見込みや進ちょく状況などについて、意見を交わした。

 神崎PAについては、内回り(茨城県つくば方面)は25年度、外回り(大栄方面)は25~26年度の供用を目指す。外回りは4車線化工事が伴うため、既存ランプに据え付ける内回りより時間がかかるという。

 山武PAについては、測量と地質調査が完了し、概略設計を進めている。年内の完了を予定しており、その成果を踏まえて地元説明会を開催し、用地取得に向けた境界確認や幅杭設置に着手する方針だ。

 このほか圏央道4車線化(久喜白岡JCT~大栄JCT)連絡調整会議の第2会会合も開催。神崎IC~大栄JCT間(延長9.7km)の4車線化について、工程精査を実施した結果、25~26年度の開通を目指す方針が示された。

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