年内に工事費確保 文化的施設の実施設計案を公表(茨城町)
[2023/10/17 茨城版]
茨城町は、新たな文化的施設整備の実施設計案を公表した。実施設計案では、基本設計時と比較して大きな変更点はないものの、ワークショップで要望のあったカフェの設置などを盛り込んだ。本体工事費は現在積算中だが、基本設計の段階では、約30億円程度を想定していた。早ければ12月議会に本体工事費を計上して、24年度から25年秋ごろまでで工事を行っていく。なお、町ではパブリックコメントを実施しており、実施設計案に対する意見を24日まで募集している。
文化的施設整備事業は、中央公民館が東日本大震災で大きな被害を受けたことを踏まえ、新たな文化的施設を整備するもの。9月議会では、建設地となる中央公民館大ホールの解体工事に係る工事請負契約を締結。解体工事は23年度内に完了させる。解体工事と文化的施設整備の実施設計業務は岡田新一設計事務所(東京都文京区)が担当している。
実施設計案の段階で、施設全体の規模はRC造一部S造3階建て、延べ3730平方mとなる。具体的な施設機能は、▽ホール機能▽活動支援機能▽交流促進機能▽施設運営機能──の4機能。ホール機能では、合唱や演奏、演劇などの文化活動や大規模な式典に対応できるよう、ホールやホワイエなどを配置。ホールは移動観覧席297席、スタッキングチェア195席の計492席を確保する。舞台形式はプロセニアム形式を基本としながら、平土間形式への転換も可能とし、ダンスや軽運動、パーティーなどの活用ができるものとしている。
活動支援機能には、音楽スタジオや軽運動室、会議室などを配置。このうち会議室には、備品として移動式の和室の設置を予定する。交流促進機能では、多目的室やラウンジ、屋外イベント広場、テラスなどを盛り込む。ラウンジのなかには、22年度に開催したワークショップの意見を受けて、飲食のできるカフェを設置する。
施設運営機能には、事務室とキッズルーム、創作スタジオなどを導入する。このうち、創作スタジオには調理台を設け、料理教室や理科教室が開催できるものとしていく。施設には、このほか階段や廊下、倉庫、トイレ、授乳室、機械施設、エレベーターなどを配置する。
文化的施設は指定避難所としての役割を担うため、施設の耐震化や不燃化を実施するなど、災害時の防災拠点としての機能も備える。特に屋外イベント広場では、雨天時でもぬかるまないよう舗装を施し、緊急車両などの寄り付きにも配慮する防災広場として整備していく。
今後のスケジュールは、パブリックコメントによって集まった意見を踏まえつつ、10月末までに実施設計を策定する。その後、早ければ12月議会に本体工事費を盛り込んだ補正予算案を上程する予定となっている。工事は24年度から25年度の秋ごろまでで実施する計画で、26年4月の供用開始を目指す。
パブコメに対する詳しい問い合わせは、都市建設部都市整備課文化的施設整備推進室(電話029-292-1111、内線196)まで。