県環境研究センター基本構想検討会議が初会合 施設集約や建替を検討へ(千葉県)

[2023/10/13 千葉版]
 千葉県環境研究センター基本構想検討会議の初会合が12日、千葉市内で開かれ、基本構想の骨子案が示された。市原・稲毛2地区に分散化した庁舎4棟を対象に集約化や建て替えを検討していく方向性が盛り込まれている。県は、検討会議で出された意見などを踏まえ、年度内に基本構想をとりまとめる考えだ。

 会議の冒頭、井上容子・県環境生活部長は、施設が分散し、老朽化が進んでいることなどを説明し、次世代の環境問題に対応するため、建物の集約化や建て替えの検討を本格化する考えを示した。

 検討会議は基本構想の策定に当たり、意見を聴取するために設置。委員は学識経験者など7人で構成し、座長に近藤昭彦千葉大学名誉教授が就任した。今回を含め、年度内に3回開催する予定だ。

 検討の対象となる施設は市原地区の本館(RC造2階建て延べ1372平方m)と新館(RC造3階建て延べ1607平方m)、稲毛地区の水質研究棟(RC造3階建て延べ1536平方m)と地質研究棟(RC造2階建て延べ756平方m)の計4棟。最も古い施設は築58年となっている。

 骨子案で今後の方向をみると、庁舎は築50年を迎え、一部の耐震性能が不足していることや設備の老朽化も著しいため、新庁舎の建設や設備の更新を検討していく。施設が市原、稲毛2地区に分散しているため、可能な限り集約化を図る方向性が示されている。

 委員からは、施設の耐震性や老朽化を心配する声や、県内外の研究機関との連携も考慮した施設整備を求める意見などが出された。

 県環境研究センターは、大気・騒音振動、水質・地質、廃棄物分野の調査研究していた研究機関3カ所を統合し、環境問題を総合的に調査研究する機関として2001年4月に発足。これまで大気汚染状況の常時監視や地盤沈下の原因究明、液状化の発生メカニズム解明などを担ってきた。

 県有建物長寿命化計画では、2027年度までに事業着手を目指す施設に位置付けられている。施設や組織のあり方・方向性を検討した上で、集約化を検討するとしている。

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