県内小中学校は71.1% トイレ洋式化 全国平均を2.8ポイント上回る(文科省)

[2023/10/12 栃木版]

 文部科学省は、公立小中学校施設のトイレの洋式化の状況について、2023年9月1日時点の状況を公表した。全便器数は132万6338基で、そのうち洋便器数は90万5447基、洋便器率は68.3%となった。本県の小中学校ついては、トイレの全便器数が2万5070基で、そのうち洋便器数は1万7815基、洋便器率は71.1%と、全国平均を2.8ポイント上回っている。同省は公立学校施設のトイレの整備で、今後も各地方公共団体の整備方針に応じ、財政面も含めて引き続き支援するとしている。

 同省は全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校)を対象に、各施設にあるトイレのうち児童生徒が日常的に使用する校舎、体育館・武道館、屋外などのトイレの洋便器、和便器の状況や、今後のトイレ整備に対する学校設置者の方針を調査した。調査時点は本年9月1日現在で、義務教育学校の前期課程は小学校に、同後期課程と中等教育学校の前期課程は中学校に、幼保連携型認定こども園は幼稚園にそれぞれ含めた。

 調査結果によると、小中学校は便器数が合計132万6338基、うち洋便器数が90万5447基で、洋便器率は68.3%となった。同様に、幼稚園は計3万7637基中3万0871基で82.0%、特別支援学校は計4万9740基中4万3990基で88.4%。合計は、便器数合計141万3715基のうち洋便器数が98万0308基で、洋便器率は69.3%となっている。

 公立小中学校のトイレの洋便器率の推移は、16年度が43.3%、20年度が57.0%で、今回は前回の20年度調査から11.3ポイント上昇した。なお、和便器数は42万0891基で、和便器率は31.7%。前回調査では43.0%となっており、11.3ポイント減少した。

 トイレ整備に対する教育委員会の方針を調査したところ、小中学校のうち▽おおむね洋便器(洋式化率90%以上)▽各階に1つ程度和便器を設置し、他は洋便器(洋式化率約80%以上)▽各トイレに1つ程度和便器を設置し、他は洋便器(洋式化率60%以上)-をあわせた「和便器よりも洋便器を多く設置する方針の学校設置者」が、小中学校で約92%、幼稚園で94.3%、特別支援学校で95.5%となった。小中学校は前回調査で約88%となっており、今回4ポイント増加している。

 本県については、トイレの全便器数が2万5863基で、そのうち洋便器数は1万8437基、洋便器率は71.3%。うち小中学校では、全491校のトイレ2万5070基のうち洋便器数が1万7815基、和便器数が7255基で、洋便器率は71.1%、和便器率は28.9%となっている。

 洋便器率は、壬生町で97.9%、那珂川町で97.8%、那須塩原市で87.0%、那須町で86.7%、那須烏山市で86.4%などと高い数字を示した一方、塩谷町で53.8%、県で54.9%、足利市で57.8%、矢板市で58.0%、大田原市で58.1%など、半数程度の自治体も多く存在する。

 また、幼稚園の洋便器率は足利市が100%、那珂川町が86.4%、那須烏山市が55.6%で、県全体では83.3%。特別支援学校は、県立のみ15校の751基のうち、洋便器数は587基で洋便器率は78.2%となっている。

 同省は大規模改造(トイレ改修)事業(学校施設環境改善交付金)で、公立の小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校、および幼稚園のトイレ環境を改善するため全体的に改修を行う工事に対し、国庫補助を行っている。

 工事内容は、学校トイレを改修するために必要な▽和式から洋式便器等へ交換する工事▽便器等の設備、給排水設備、電気等の付帯設備の改修工事▽床・壁・天井・建具等の内装の改修工事▽間取りを変更する工事▽その他トイレ改修に関連する工事-で、算定割合は3分の1(財政力指数1.00超の地方公共団体は7分の2)。対象工事費は、下限額400万円から上限額7000万円までとなっている。

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