プロポ手続き開始 神栖特別支援学校新築の設計(県営繕課)
[2023/10/12 茨城版]
県営繕課は10日、(仮称)神栖特別支援学校新築工事の基本・実施設計に係る公募型プロポーザルの手続きを開始した。この設計では、校舎棟(延べ6400平方m程度)と体育館(延べ800平方m程度)が対象となる。外構工事を含む工事費想定額は約34億2000万円と試算している。入札参加形態は2者JVとし、履行期限は25年1月下旬に設定。参加表明書の提出は23日まで受け付ける。事業者の特定の公表は12月下旬ごろになる見通しだ。基本・実施設計策定後は、25年度から着工し、27年4月の開校を目指す。
この事業は、神栖市域から長時間をかけて鹿島特別支援学校に通学する児童生徒の通学に係る心身の負担軽減を図るため、神栖市内に特別支援学校を新設するもの。建設地は神栖市須田地内で、若松運動場の東側、若松運動場テニスコートの南側に位置する市有地となる。なお、同地については、神栖市から無償貸借になる予定。貸借する敷地面積は約2haとなる。敷地内には、校舎棟や体育館、グラウンド、圃場、駐車場、バスターミナルなどを整備する。このうち、校舎棟や体育館、駐車場、バスターミナルなどの外構の整備は県営繕課、グラウンドや圃場などの整備は県教育庁が担当することになる。
施設の規模は校舎棟が延べ6400平方m程度とし、普通・特別教室部門に約3100平方m、管理関係部門に約1200平方m、共用部に約2100平方mを配分。学部は小学部と中学部、高等部で合計約150人、35学級を想定している。体育館は延べ800平方m程度とし、福祉避難所としての利用も想定。駐車場は職員用と来客用、保護者の送迎用を含めて約160台分を確保していく。建設費や設計費などを含めた概算事業費は約40億円に設定。このうち、外構工事を含む本体工事費は約34億2000万円と試算。また、設計委託料は、9月補正で2億5800万円を確保している。
プロポーザルでは、校舎棟と体育館の新築設計を行う。その際には、重複障害を含めた児童生徒の教育的ニーズに対応した適切な指導ができる環境や、児童生徒が伸び伸びと学べる環境を実現できるよう、さまざまな提案を広く求めていく。
技術提案では、▽将来の定員増減に対応できるよう可変性の高い計画とすること▽隣接する神栖市運動場の利用や、体育館の地域開放などを考慮した計画とすること▽海岸線に近接するなど計画地の自然景観との調和のとれた外観とするとともに、塩害対策に配慮した計画とすること▽換気や通風、日射などを考慮し、建物の省エネルギー化を図るとともに、県産木材の積極的な活用など、温室効果ガスの排出削減を図ること──などを求める。
入札参加形態は2者JVに設定。すべての構成員の参加資格では、茨城県内に本店を有し、一級建築士事務所の登録を受け、建築関係建設コンサルタント業務の認定を受けていることなどを求めている。また、代表構成員には一級建築士の数が2人以上であることも参加資格となる。履行実績では、03年4月1日から23年3月31日の間に延べ3600平方m以上の学校の新築、増築または改築の設計業務を実施したことが求められる。
現地見学会は17日の開催を予定する。参加方法は当日に現地で受付を行う。受付場所は若松運動場テニスコート脇の駐車場とし、受付時間は午前10時50分から11時までとなる。
参加表明書の提出は23日までとし、プロポーザルの提出は11月28日まで受け付ける。12月下旬には事業者を選定する予定。事業者選定後は、来年1月中にも契約を締結し、基本・実施設計に着手する。その後、24-25年度にかけて工事発注手続きを行い、25-26年度で工事を実施していく流れとなる。
神栖特別支援学校整備関係では、今回の本体工事に加えて、グラウンドと圃場、アクセス道路、若松運動場の駐車場整備などを予定する。このうち、グラウンドと圃場整備については県教育庁が担当。規模はグラウンドが3600平方m程度、圃場が1000程度を確保していく。本体工事の進捗にあわせながら発注する見通しとなる。
また、アクセス道路と若松運動場の駐車場整備は神栖市が担当する。このうち、アクセス道路については、若松運動場から新設校までの市道の拡幅を行う。計画では幅員を現在の6mから10m(車道8mと歩道2m)に拡幅する。また、若松運動場と新設校の間の市有地には、若松運動場の駐車場を整備していく。この駐車場は臨時駐車場とし、若松運動場のイベント時に使用することを想定する。これらの工事も本体工事の進捗を踏まえながら実施していく計画だという。
プロポーザルに対する問い合わせ先は県営繕課建築第一グループ(内田・春木、電話029-301-4556)まで。