いであが受託候補者 北上川/福地水門の改築検討(北上川下流)

[2023/10/11 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は「北上川水系河川計画等検討業務」の簡易公募型プロポーザルで、いであ(東北支店・仙台市青葉区)を受託候補者に特定した。今後に同社と見積もり合わせして金額が折り合えば契約する。この業務では北上川水系の河川整備基本方針の変更に向けた検討や、福地水門(石巻市)の改築の事業化に向けた検討などを行う。

 業務内容は、北上川水系の主に直轄管理区間(県内)を対象とした河道分析評価検討と、新江合川分派方式の検討、気候変動を踏まえた治水対策の検討、福地水門の改築に関わる事業再評価の検討など。履行期限は2024年10月31日。

 福地水門は北上川右岸の河口から8.6kmの地点に設けられている。土木遺産であるため、既存施設を保存しつつ、周辺に代替えの新たな水門を整備する予定。新たな水門は基本的に既存施設と同規模になる見込み。

 既存施設は追波川との合流地点にあり、洪水時は北上川からの逆流防止、かんがい期には塩水遡上防止のために使用されている。構造は3径間で、両サイドにラジアルゲート、中央部に船の通行に必要な揚程を確保するための2段式ローラゲートが備わっている。

 ゲートの大きさはメインが7.9m×7.8m×12.6mで、サイドが4.5m×4.1m×12.6m。1930年3月に竣工し、90年以上が経過している。

 福地水門の改築に向けては、民有地への影響を調べる必要があるため、昨年度に詳細設計業務を東京コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。業務内容は現地測量や機械ボーリング、水門改築の設計作成などだった。

 今後は計画段階評価を行い、学識経験者らの意見を踏まえて事業化を目指す。

鳴瀬川計画は候補に建設技術研究所

 同事務所は「鳴瀬川水系河川計画等検討業務」の簡易公募型プロポーザルで建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)を受託候補者に特定した。今後に見積もり合わせを経て契約する。

 同業務の内容は、主に直轄管理区間を対象とした河道分析評価検討や、気候変動を踏まえた河川整備基本方針の検討など。履行期間は2024年10月31日まで。

 鳴瀬川水系については、昨年9月に河川整備計画を見直したが、河川整備基本方針は2012年度以降に変更していない。同事務所は基本方針も見直す方向で検討している。

 プロポで技術提案を求めた評価テーマは「江合川からの分派を踏まえた計画高水検討に当たっての留意点」だった。

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