立地企業と協定締結 東山田・谷貝地区の用地開発(古河市)
[2023/10/7 茨城版]
古河市は9月25日、未来産業用地開発事業「東山田・谷貝地区」立地協定締結式を市役所総和庁舎特別会議室で開催した。企業の立地にあたり事業を円滑に進めるため、市と東山田・谷貝地区地権者協議会(川上幸男会長)、企業の3者で協定書を締結した。地権者協議会は進出企業4社と10月28日に用地売買契約を結び、土地の引き渡しは24年5月になる見通しだ。
進出企業は、A地区に三協フロンテア(千葉県柏市)、B地区にセイシン企業(東京都渋谷区)、C地区に関東建運(古河市)、D地区にイチネンケミカルズ(東京都港区)となる。三協フロンテアと関東建運は新設、セイシン企業とイチネンケミカルズは工場を移転する。
協定締結後にあいさつした針谷市長は、「この事業は人口減少対策の一環として、市内での雇用創出に向けた産業用地を確保するためを進めてきた。本日無事に協定を結ぶことができたのは、地権者の皆さまの市の事業に対する理解と協力のおかげ。企業の皆さまには、数ある候補地のなかから、この地で企業活動を行う決断をしていただいた。本協定の締結を機にスタートする4社により、まちづくりがより一層進むだろう」と感謝し、「市としては事業が円滑に進むように、地権者の皆さまと企業の皆さまを引き続き支援していきたい」と話した。
続いて川上会長は、「地権者が一丸となって事業を成功させなければならないという思いで、この協議会を設立した。それから約1年という短い期間で立地する企業が決まったことはたいへん喜ばしい。協議会としても円滑な運営に努めていきたい」と語った。
東山田・谷貝地区は、首都圏から60km圏内で、最寄りの駅はJR宇都宮線の古河駅となる。圏央道の境古河ICからは約3km、新4号国道からは約3kmに位置する。面積は約21.8ha。現況は主に田で、市街化調整区域・農業振興整備計画上の農用地区域となっている。このうち、産業用地としては19.8haを開発する。区割りはA地区の三協フロンテアが8.4ha、B地区のセイシン企業が4.1ha(工場の規模は約6000平方m)、C地区の関東建運が3.6ha(倉庫・事務所の規模は約1万9800平方m)、D地区のイチネンケミカルズが3.7haで、26年の竣工を目指す。
今後は、28日に用地売買契約を締結。その後、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認および土地利用調整計画を策定して県の同意を得るとともに、農用地区域除外の手続き、地区計画の策定のほか、農地転用と開発行為の許可の取得を進め、24年5月に引き渡す見通しだ。
未来産業用地開発事業は、市の未来に向けた新たな産業用地を創出する事業で、昨年6月に国から地域未来投資促進法に基づく茨城県圏央道沿線地域基本計画に「東山田・谷貝地区」を追加する計画変更の同意を得た。このため、昨年8月に地権者協議会を設立。地権者は約90人で、事業に向けての検討を進めてきた。