アーチ橋移設を公告 中橋改築事業 2者JVで一般競争(栃木県監理課)
[2023/10/6 栃木版]
県監理課は6日に、「3・5・102号家富町堀込線中橋(仮称)上部工建設工事その1」の条件付き一般競争入札を公告する。足利市のランドマークにもなっている3連アーチ橋を新設する側人道橋に移設するほか、橋脚から橋台までの部分の鋼単純非合成箱桁橋2連を製作・架設するもので、入札参加形態は2者JV。県議会で工事契約の議決を得てから着工し、450日間の工期で施工する。なお、本年度は側人道橋の残る下部工を実施する予定で、3連アーチ橋の移設は2024年度の渇水期の施工を予定している。
競争参加資格は、代表構成員が鋼構造物工事の総合点数1200点以上、その他の構成員が同じく総合点数1000点以上とする。また構成員のいずれもが、中橋の下部工建設工事その3・その4・その5の落札者でないことや、設計を策定した富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)と資本・人事面で関連が無いこととする。
さらに代表構成員は、2008年度以降に完成引渡しが完了した、国・特殊法人等・都道府県・都道府県出資公社などが発注した請負金額500万円以上の道路橋(B活荷重)の鋼橋上部工工事(補修、補強工事を除く)を元請けとして施工した実績なども求める。
入札手続きは、競争参加資格確認申請を10日から18日午後4時まで、入札書を24日から30日午後4時まで、いずれも電子入札システムで提出する。評価項目算定資料の提出は、持参の場合31日の午前9時から午後4時まで、郵送(書留郵便)の場合は31日必着で提出。開札は11月15日を予定する。
渡良瀬川中流部に架かる中橋は、渡良瀬川改修計画策定前の1936年に開通した。その後、上下流の堤防は嵩上げされたが中橋は架設当時のまま残され、現在も堤防の高さが不足している。また、都計道家富町堀込線(主要地方道足利千代田線)はJR両毛線の踏切前後で朝夕を中心とした交通渋滞が発生している状況。さらに近隣の高校生など自転車の利用者・歩行者の通行が多いにも関わらず、中橋の歩道が狭く、踏切部では歩道が未整備といった数々の課題を抱えている。
このため、国と県、足利市は共同で、堤防と橋梁の高さ不足の解消とまちづくりが一体となった中橋改築事業に2021年度から着手。新たな橋梁は渡良瀬川に架かる渡河部と、JR両毛線をオーバーパスするこ線部、および側人道橋で構成する。市のランドマークになっている現在の鋼単純3連アーチ橋は、下流側の側人道橋に移設することで、魅力ある景観を引き続き保持する。
工事はまず側人道橋から着手して、22年度から24年度までの3年間で側人道橋を建設している。22年度は市役所に近い左岸側の橋脚2カ所を施工しており、本年度は11 月から残る橋脚と橋台を建設する。24年度の渇水期には、歩行者・自転車用の仮橋(幅員4m)を下流側に架設して現在の中橋を通行止めにし、3連アーチ橋を下流側に移設。25年春にも移設を完了させて、側人道橋の供用を開始するとともに仮橋を撤去する。
また24年度の渇水期から、並行して左岸側のこ線橋や右岸側の取付道路の工事に着手する。25年度以降は、現中橋の跡地に新橋を整備するとともに、橋台の設置にあわせて渡良瀬川の堤防嵩上げも実施していく。中橋架け替えも含めた全ての工事の完成は、28年春頃を予定している。