強靭化予算の確保を 安全・安心の道づくり県民大会を開催

[2023/10/4 栃木版]

 道路整備促進期成同盟会県協議会(会長・古口達也茂木町長)と県土整備事業協議会道路部会(部会長・坂村哲也下野市長)は2日、県総合文化センターで「2023年度安全・安心の道づくりを求める県民大会」を開催した。県や各市町、県内の各産業・経済団体のほか、地域自治体・PTAなどの道路利用者が大会に参加。国土強靭化の加速化による予算の確保、スマートICや高規格道路の整備、通学路の交通安全対策の強化など、地方が求める道路整備・管理が進められるよう要望する8項目の決議を採択した。

老朽化対策など8項目を採択

 冒頭、主催者を代表して古口会長は「本日の大会を機に、道路の整備促進と財源確保を県内市町が一致団結して国に対して行動して訴えていきたい」とあいさつした。

 来賓の福田富一知事は「道路は重要な社会基盤だが、自然災害への対応、通学路における交通安全の徹底、トンネルなどの老朽化への対応と様々な問題が山積している。県としても道路整備を着実に進め、道路整備への県民の理解を深めること、国に対して地方の声を届けることが重要」とし、関係各機関への協力を呼び掛けた。

 県議会からは、佐藤良県議会議長が「県民の皆さんと道路整備の必要性や重要性について理解を深めることは意義深く、地方の要望を国に伝え、整備促進を図ることは重要」と道路整備の重要性を説いた。

 このほか、船田元衆議院議員、五十嵐清衆議院議員と高橋克法参議院議員があいさつした。

 県民大会では、国土交通省関東地方整備局野坂周子道路部長が道路行政をめぐる最近の話題をテーマに▽公共事業予算▽関東の道路ネットワーク▽メンテナンス▽災害対応▽様々な道路施策-といった内容で講演した。また意見発表として、県トラック協会の近藤基了専務理事が意見を述べた。

 また、8項目の決議案を満場一致で採択した。

 《決議》

 国土強靭化の加速化等による安全・安心の確保をはじめ、コロナ禍からの回復に向けた地域経済の復興などを早期に実現させるため、次に掲げる項目について強く要望します。

 一 防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源を例年以上の規模で確保し、計画的に事業を推進するとともに、改正国土強靭化基本法の趣旨を踏まえ、対策期間完了後も予算・財源を別枠で確保し継続的に取り組むこと

 一 スマートICや高規格道路の整備を促進するとともに、重要物流道路の更なる指定など、広域道路ネットワークの充実・強化を図ること

 一 持続可能な維持管理を実現する予防保全による道路メンテナンスへ早期に移行するため、長寿命化修繕計画に基づく橋梁、トンネル、舗装等の老朽化対策を推進すること

 一 有料道路の良好なインフラを持続的に利用するため、料金徴収期間の延長による適切な維持管理と更新事業や耐震補強等の機能強化に向けた取組を支援すること

 一 災害時の緊急輸送道路等の安全性の確保や良好な景観形成・観光振興等を図るため、電柱の占用制限も含めた無電柱化を推進すること

 一 子供達の安全・安心を守るための通学路等の交通安全対策の強化を推進するとともに、自転車利用環境の整備に積極的に取り組むこと

 一 観光などの地域経済活動復興のための道路交通ネットワークの充実、地域の拠点となる「道の駅」の機能強化などについて、積極的に取り組むこと

 一 激甚化・頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するための地方整備局等の体制の充実・強化を図ること

 これらの項目を踏まえ、資材価格の高騰や賃金水準の上昇に対応する中でも、地方が求める道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、令和六年度道路関係予算は、所要額を確保すること。また、国土強靭化の推進に加え、地域経済を支えるため、公共事業を含む補正予算を速やかに編成すること。

 令和五年十月二日 栃木県安全・安心の道づくりを求める県民大会

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