北千葉道路の用地取得促進 一宮川の護岸工事を検証(県土整備常任委)

[2023/10/4 千葉版]

 県議会の県土整備常任委員会が10月3日開かれ、補正予算案など5議案について審議し、いずれも原案通り可決した。質疑では、北千葉道路の用地取得推進に向け、沿線5市とともに「仮称・北千葉道路用地取得促進プロジェクトチーム」を設立することや、一宮川護岸工事における土のうの高さ不足について第3者委員会で検証する方針などが示された。

 北千葉道路については、委員が、用地取得や地元住民の機運醸成に向けた取り組みについて質問。県道路計画課は、沿線市とともに「仮称・北千葉道路用地促進プロジェクトチーム」を発足、市民まつりに合わせて10月7日~11月3日に沿線5市で、北千葉道路の概要や整備効果などを紹介するパネル展を開催することを説明した。

 一宮川流域の水害については、護岸工事で既設堤防の代わりに大型土のうを設置する「仮締切り堤防」を調査したところ、5カ所で必要な高さが確保されてないことが判明。多くの委員が、土のう不足が発生した原因や今後の対応を質問するなど、工事管理体制の検証や護岸の早期整備を求める声が相次いだ。

 県河川整備課は、有識者からなる第3者委員会を10月中に設置、仮設堤防の高さが不足していた箇所からの溢水の影響などを検証し、再発防止に努めることを説明した。

 開通が遅れる見通しの圏央道(大栄~松尾横芝区間)については、委員が、整備効果が一日も早く発揮できるよう部分供用の検討を提案。県道路計画課は、国に働きかけていく考えを示した。

 このほか、質疑では、銚子連絡道路の供用時期、25年度を目標年次とした都市計画区域マスタープランの見直しなどについて質疑があり、銚子連絡道路の横芝光町~匝瑳市区間については、「23年度中の完成を目途に事業を推進していく」との答弁があった。

 また、委員会の冒頭、池口正晃部長は、台風13号による被害状況とその対応、仮称・若草大橋延伸線協議会の開催、東京湾アクアライン時間帯別料金の社会実験などについて報告した。

 台風13号では23河川で越水し、県管理道路の78カ所で通行止めが発生、県が管理する河川や海岸堤防の200カ所で被害が確認された。県建設業協会をはじめとする関係団体の協力のもと応急復旧工事や設計調査を進めており、すみやかに復旧工事に着手する。

 8月に開催した仮称・若草大橋延伸線協議会の初会合では、概略ルートや構造の検討を進めていくことや下部組織としてワーキンググループを設置することを確認した。

 東京湾アクアラインでは社会実験により、最大損失時間が半減するなど渋滞が緩和しており、今後は携帯電話などの位置情報データなどを収集、観光客の滞在時間の変化について分析する方針だ。

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