災害復旧に23億円 台風対応 市管理河川で流域治水(日立市補正)
[2023/10/4 茨城版]
日立市は、台風13号による市内の被害を受けて、9月27日に30億2556万円を追加して総額を804億4959万円とする一般会計補正予算(補正第4号)を専決処分した。このうち、公共施設などの復旧事業費には約23億円を確保し、年度内の完了を目指して本庁舎や道路、河川など公共施設の復旧工事を進める。また、今回の大規模な被害を受けて、市管理河川や庁舎の浸水対策を進めるため、流域治水基本計画の策定や庁舎の浸水対策の検討作業などを行う。
今回の補正では、被災者支援事業費に5億1709万円、公共施設等の復旧事業費に23億0846万円、予備に2億円をそれぞれ計上している。
9月8日の台風13号による被害では、市内で人的被害1人のほか、住宅では床上浸水218棟、床下浸水239棟、建物の一部損壊44棟などの被害があった。公共施設の被害では、道路などが812件、河川・水路などが216件、土砂・がけ崩れなどの134件、倒木などが28件、公園が14件などがあったほか、市有施設(17件)、上下水道施設(15件)、教育施設(12件)などで被害を受けた。また、排水路法面崩壊等(66件)や山林斜面崩壊(33件)などの農林水産業施設、推計被害額9億5655万円(46件)に上る企業などの被害が発生した。
主な公共施設等の復旧事業費では、本庁舎に2億7090万円、林道(5路線33カ所)に2億1000万円、道路(190路線197カ所)に6億4599万円、河川・排水路(30河川91カ所)に5億0771万円、都市公園(14公園)に1億9430万円などを確保した。いずれも年度内の完了を目指して、復旧工事を進めていく。
今回の被害では、小河川の増水による氾濫や土砂流出、これによる市庁舎の浸水被害などがあったことから、治水対策として市管理河川の流域治水基本計画策定業務委託料に3667万円を予算化したほか、庁舎では受変電設備等の点検や浸水対策検討委託料などに計2170万円を確保し、河川を含めた総合的な対策を進めることとした。庁舎の浸水対策では、問題となっていた地下に設置されている受電設備や非常電源設備などを含めて検討する考えだが、並行して進める流域治水基本計画の内容によって対策方法が変わっていく見通しだ。
このほか、浸水被害を受けた池の川処理場については、国の災害査定が行われたところで、12月補正で災害復旧費を計上する見通しだという。