近く基本設計を公告 駅西バスターミナルの再整備(石岡市)
[2023/10/3 茨城版]
石岡市は石岡駅西口バスターミナル広場の再整備を進めている。再整備にあたっては、屋内型と屋外型、ハイブリッド型の3パターンを想定する。現時点では、広場の改修に必要な建築基準法の確認や各パターンの概算事業費などの基礎調査を実施している段階にある。今後は基礎調査の結果を踏まえて、整備の方向性を決定していく。その後、10月から11月ごろにも基本設計を公告する見通しだ。
この事業は、石岡ステーションパークの1階に位置するバスターミナル機能が東口に移転したことに伴い、その跡地となる広場の利活用と再整備を行うもの。なお、広場の面積は1658平方mとなる。昨年度には、商工会議所や商工会、高校生などが参加したワークショップを実施。参加者からさまざまな意見が提案されたという。市ではこれらの意見を踏まえて、整備計画に着手している。
利活用・整備方針によると、ゾーニングでは、▽まちインフォ・ゾーン▽コモンズ・ゾーン▽アクティブ・ゾーン▽あそび・ゾーン──の4エリアを想定する。
このうち、まちインフォ・ゾーンは、まちの中心地としてのインフォメーション機能を持つエリアとなる。情報メディア兼スクリーンの設置や、キッチンカーが出入りできるようなスペース・デッキ空間などを設け、情報発信・タッチポイントとしての外部空間を計画する。同ゾーンは西口駅前広場と観光案内所との連携利用を見込み、駅寄りに配置していく。
コモンズ・ゾーンには、広く多様な利用シーンが共存し、時間帯や利用者によって空間構成が可変するエリアとする。イスやテーブル、くつろぎスペースを設置することで、自由な利用を促すとともに、かんばん横丁との連携利用も図っていく。同ゾーンは、多様な利用形態が想定されるため、広場中央の大空間全体に配置する。
アクティブゾーンは、広場のにぎわい創出の核となるミニスポーツを楽しめるエリアに設定。人工芝やバスケットゴールなどを整備し、学生をはじめとした若者の放課後・休日の利用を見込む。設置場所は、ボール利用などが想定されるため、空間の奥側を予定する。
あそび・ゾーンは、小さなこどもの利用が中心となる遊びや、広い空間を必要とするイベントなどを目的とするエリア。道路への飛び出しなど、利用者の安全面に配慮して、2階(ステーションパーク)に配置する。
これらのゾーンのうち、中心的な役割を果たすコモンズ・ゾーンについては、利用を限定しない新しい空間のしつらえを検討。その結果、整備パターンとしては、▽屋内空間充実型▽屋外仮設空間型▽屋内外ハイブリッド型──の3パターンを示した。
このうち、屋内型は天候・気温の影響を受けず、長時間の利用に向いていることがメリット。一方、屋外型は空間の可変性が高く、イベント時の利用がしやすいという利点がある。ハイブリッド型は空間の一部を屋内化し、屋内型と屋外型のメリットを活かしたタイプとなる。ワークショップやヒアリングでは、屋内型とハイブリッド型が高い評価を得たという。なお、実際の整備にあたっては、整備コストや管理・運営のしやすさ、今後の管理者・担い手の確保なども踏まえて、方向性を決定するという。
ワークショップの結果を受けて、市では本年度から基礎調査と基本設計に着手する。事業費については、当初予算で560万円を計上。このうち、基礎調査は施設整備の方向性を決定するために実施するもので、広場の改修に必要な建築基準法の確認や各パターンの概算事業費の算出などを行っている。なお、業務はイノ設計(石岡市)が担当する。
基礎調査は10月中にもまとまる予定で、その結果を踏まえて市は、施設整備の方向性を決定する。その後、基本設計を10月から11月ごろにも公告する見通しだ。来年度以降のスケジュールについては、整備の方向性によって、事業期間が変わるため、現時点では未定となっている。