三祐コンサルと契約 排水機場の新設と改修(旧迫川二期地区)
[2023/9/29 宮城版]
農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、旧迫川二期地区で西排水機場の新設と南方揚水機場の改修を計画しており、工事に向けた基本設計業務を一括して三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。同地区では本年度から3カ年かけて全体の地区調査を進め、2026年度に実施設計を作成し、27年度から工事を行う見通し。
西排水機場は排水能力に毎秒7.9tを計画しており、登米市内に新設する。南方揚水機場は登米市米山町に位置しており、ポンプ設備や土木施設などを改修し、排水能力もアップさせる考え。
改修後は口径1000mmが1台と1500mmが4台のポンプを備える。能力(毎秒)は排水が22.2t、揚水が2tを確保する。
既存施設は口径1000mmが1台と1500mmが3台で、排水能力が毎秒15.2t、揚水能力が同2tとなっている。
今回の基本設計業務は国営土地改良事業地区調査として委託する。業務内容は設計計画、水理計算、機場工と樋門・樋管工の設計、概算工事費の積算、点検とりまとめなど。履行期間は2024年3月19日まで。
業務委託に当たっては簡易公募型プロポーザルを実施し、三祐コンサルタンツを受託候補者に選んで見積もり合わせし、28日に随意契約した。税抜きで契約額は3540万円、予定価格が3547万円だった。
旧迫川地区は登米市、大崎市、涌谷町にまたがる水田地帯で、受益面積が6460ha。1966~78年の国営かんがい排水事業で揚水機場6カ所、幹線用水路6路線の延長21.1km、幹線排水路3路線の延長12.2km、排水機場2カ所などが整備された。
地区内にある南方揚水機場、西排水機場、高石揚水機場、米山揚水機場の4カ所は、本年度に地質調査業務を内外エンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。この業務でボーリング調査や現場透水試験などを行い、業務成果を各機場の改築、または補修の基本設計に役立てる。
米山揚水機場は涌谷町内にあり、昨年8月に4号ポンプの電動機が故障した。同事務所は改築を計画。既存施設の隣に新たな揚水機場を建てる見込み。
西排水機場の新設や南方揚水機場の改修、米山揚水機場の改築などはいずれも迫川二期地区として事業を進めることが想定される。本年度は別途、山吉田揚水機場他現地測量業務と迫川二期地区費用対効果算定検討その他業務をNTCコンサルタンツ(東北支社・仙台市泉区)、排水解析その他業務をサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)、環境配慮調査業務を若鈴コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。
地区内ではこのほか、箟岳揚水機場と箟岳幹線用水路を先行的に改修・更新する。こちらは旧迫川地区の国営施設応急対策事業で進める。事業期間は2021~26年度の6年間。全体事業費は25億円を試算している。
旧迫川地区は本年度に、箟岳揚水機場のポンプ設備改修工事を電業社機械製作所(東北支店・仙台市宮城野区)、箟岳幹線用水路のその4工事をりんかい日産建設(東北支店・仙台市青葉区)、その5工事をスリーテック(石巻市)に発注した。