予算拡充と整備促進を 日立都市圏幹線道路期成会が要望
[2023/9/22 茨城版]
日立市と常陸太田市、東海村の2市1村で構成する日立都市圏幹線道路整備促進期成会(会長・小川春樹日立市長)はこのほど、常陸河川国道事務所の佐近裕之所長と県土木部の田村央部長を訪ね、道路整備に関する要望活動を行った。要望では、2市1村の連携強化を目指し、▽国土強靱化に資する緊急輸送道路の機能強化▽広域的な道路ネットワークの構築▽交通安全対策の推進──の3項目に計15路線を盛り込み、予算の拡充と早期の事業推進を求めた。
同期成会では、慢性的な渋滞解消、広域的な幹線道路ネットワークの構築などを目的に結成され、国や県に要望活動を行っている。今回は、会長の小川市長と副会長の宮田達夫常陸太田市長、同じく山田修東海村長ら全会員が参加し、要望書の提出のほか、各首長から地域の実情を伝えたうえで、各路線の整備促進などを要望した。
要望では、日立都市圏が、地形的、歴史的に強いつながりの中で相互に連携を深めて発展をしてきた一方、この都市圏における道路整備の水準は今なお低いため、慢性的な交通渋滞が日常的に発生し、産業活動や市民生活に大きな影響を与えていると指摘。このような中、国際情勢の変化による物価高騰への対応やコロナ禍からの回復に向け、持続的な発展を支える広域的な交流を促進し、地域経済の活性化や産業の振興を図るため、基盤である幹線道路ネットワークの構築が急務となっているほか、近年の激甚化・頻発化する自然災害へ備えるため、老朽化対策を計画的に実施し、適切な更新を進めることも必要だとした。
このため、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源を例年以上の規模で確保し、計画的に事業を推進するとともに、対策期間完了後においても、通常予算とは別枠で予算・財源を確保するなど、次の事項について格別の配慮を訴えている。
以下、要望事項と対象要望路線は次の通り。
【要望事項】
▽激甚化・頻発化する自然災害を踏まえ、国土強靱化を推進し、災害時の緊急輸送道路である国道6号、国道245号、国道293号、国道349号の機能強化を早期に図っていただきたい。
▽物流や観光などの経済活動を復興させるため、国道293号などについて、広域的な道路ネットワークの構築を強力に促進していただきたい。
▽通学路に指定されている県道富岡玉造常陸太田線などについて、安全で快適な通行空間を確保するために確実な予算確保をお願いしたい。
▽橋梁をはじめとする道路施設の老朽化対策における補助制度の拡充や人材育成などの支援をお願いするとともに、地域に必要な道路整備・管理を長期安定的に進められるよう、新たな財源の創設など、公共事業予算の拡充を図ることをお願いしたい。
【要望路線】
〈国土強靱化に資する緊急輸送道路の機能強化〉
▽国道6号大和田拡幅(日立市)=事業区間(3.3km)の早期完成
▽国道6号日立バイパス(II期)(日立市)=事業区間(3km)の早期完成
▽国道6号東海拡幅(東海村)=事業区間(3.1km)の早期完成
▽国道6号桜川道路・仮称(日立市)=4車線化の事業化に向けた、計画段階評価の早期着手
▽国道245号久慈大橋、日立港区北拡幅(日立市、東海村)=事業区間の早期完成、未事業化区間の早期事業化(4車線化)
▽国道293号、国道6号~国道245号(日立市)=4車線化の早期事業化
▽国道349号(常陸太田市)=4車線化に向けた検討の早期着手
〈広域的な道路ネットワークの構築〉
▽国道293号常陸太田東バイパス(常陸太田市)=事業区間(2.1km)未事業化区間の早期事業化
▽水戸外環状道路(都市計画道路照沼笠松線)(東海村)=事業区間(6.1km)の早期完成
▽北茨城大子線(常陸太田市)=事業区間(2.5km)の早期完成
▽常陸那珂港山方線(常陸太田市)=事業区間(1.2km)の早期完成、未事業化区間の早期事業化
▽常陸太田那須烏山線(常陸太田市)=事業区間(0.7km)の早期完成
▽日立笠間線(亀作ルート、栄橋)(常陸太田市)=事業区間(亀作ルート0.2km、栄橋1.2km)の早期完成
〈交通安全対策の推進〉
▽富岡玉造常陸太田線(常陸太田市)=事業区間(0.4km)の早期完成
▽和田上河合線(上河合町、芦間町)(常陸太田市)=早期事業化