歩道拡幅や電線地中化 国道119号 上・中鉢石町工区の着手へ(栃木県道路整備課)
[20223/9/21 栃木版]
県道路整備課は、一般国道119号の上・中鉢石町工区の事業着手に向けて、パブリックコメントを開始した。この事業は、現道の狭小な歩道を拡幅し電柱を地中化することで、歩行者・自転車の安全を確保し緊急輸送道路の防災力を強化するもの。あわせて魅力ある街並みを形成し、観光産業の活性化などを図る。事業期間は2024年度から33年度までの10カ年を予定し、総事業費は約35億円を試算している。
一般国道119号は、日光市山内から宇都宮市街地に至る広域幹線道路で、第1次緊急輸送道路にも指定されている。事業箇所は年間500万人を超える観光客が訪れる世界遺産「日光の社寺」に通じる門前町に位置し、歩行者数は1日約2000人を超えている。
しかしながら、現在の歩道幅員が2.5mと狭く、また歩道内の電柱が通行の妨げとなって歩行者が歩道をはみ出して通行するなど、安全で円滑な通行に支障をきたしている。また、電柱の林立や統一感のない建物などが、世界遺産「日光の社寺」の門前町としてふさわしい良好な景観形成の支障となっており、さらに急傾斜地の崩壊や電柱倒壊などで災害時に通行止めとなる恐れがあることから、第1次緊急輸送道路としての防災機能強化が必要となっている。
このため県は、日光市上鉢石町から中鉢石町までの延長420mについて、歩道を両側に1m拡幅するとともに電線類の地中化やバリアフリー化を実施することで、歩行者・自転車の安全で円滑な通行の確保を図る。電線類の地中化とあわせて、上鉢石町の急傾斜崩壊対策事業を一体的に整備することで防災機能の強化を図るほか、歩道の美装化は当該地域の住民自らが作成した「日光東町まちづくり規範」による景観整備と連携して実施する。
事業計画によると、歩道を両側に1m拡げて自転車通行帯も整備し、標準全幅を現道の15.0mから17.0m(車道3.25m×2、路肩1.75m×2、歩道3.5m×2)に拡幅する。
なお、本工区東側の下鉢石町工区では同様に電線地中化や歩道美装化を実施しており、25年度に完成予定となっていることから、引き続き整備することで投資効果を高められる。また、本工区南側では22年7月の豪雨によりがけ崩れが発生し、24年度から急傾斜地崩壊対策事業(上鉢石町A)を実施するため、一体的に整備する必要がある。
この事業に意見のある人は、20日から10月20日(必着)までに、県県土整備部道路整備課整備調査担当へ意見を提出する。様式は任意で、住所、氏名、電話番号を記載して郵送やファクス、メールで提出する。問い合わせは同担当へ。