3件分離で一般競争 市民球場再整備 年明けにも着工へ(日立市)

[2023/9/21 茨城版]
 日立市は13日、市民運動公園野球場等再整備事業で、3件の一般競争入札を公告した。いずれも議会案件となり、10月31日と11月1日の開札を予定している。事業費には、6月補正予算で総額52億0406万円の3カ年継続費(23-25年度)を確保した。今後は、12月定例議会で工事契約案を承認後、年明けから着工する。工事は外構も含めて25年度中には完了し、26年度の供用開始を目指す。

 市民球場の再整備は、既存施設の老朽化や狭あい化などから計画された。既存施設は1972年に完成し、スタンド(延べ1750平方m)、両翼94m(中堅120m)のグラウンドなどが立地している。現在では、完成後約50年が経過するなど老朽化や施設の狭あい化が進み、バリアフリー化やトイレの不足には、改修するためのスペースがないことなども課題となっていた。このため、改築工事を視野に入れた規模拡大を計画し、20年度に基本計画を策定して整備の方向性をまとめた。

 基本計画では、全国大会や関東大会などのスポーツ大会が開催できる広域交流拠点施設となるよう、整備目標には市民の誰もがスポーツ・レクリエーション活動に親しむことができる「市民スポーツの拠点」、プロ野球や社会人野球などを観戦できる「観るスポーツの拠点」、市民が憩い、災害時の避難拠点としての役割も担う「市民の集う憩いの都市公園」を掲げた。

 新施設では、グラウンドを両翼100m、中堅122mの人工芝仕様に拡大。施設整備にあたっては、19年度に整備したスコアボードや芝生席となっている外野スタンドなど一部を改修しながら残し、老朽化が進んだメインスタンドと内野スタンド、グラウンドなどを全面的に改築する。

 スタンドなどの改築では、ユニバーサルデザインに基づき観覧席と諸室の一体的な整備を行う。建設規模はRC造およびSRC造一部S造の3階建て、延べ1万0578平方mとし、これにより観覧席は約1万5000人程度に増設する。

 このほか、安全な施設利用を図るための飛球対策用防球ネット整備や、夜間利用が可能となるよう照明設備の設置、都市公園機能の拡充としてふれあい広場やウォーキングコースの整備も行う。設計は、プロポーザルで選定したINA新建築研究所(東京都文京区)でまとめた。

 13日には、建築工事と電気設備工事、機械設備工事の3件に係る一般競争入札を公告した。入札参加形態は、いずれも市内業者を対象とした2者または3者JVとしている。

 工事契約案が承認されれば、年明けから既存施設の解体工事に着手し、早ければ24年度当初ごろにも新施設の建設工事に着手する。野球場周辺に整備する広場などの都市公園機能については、24年度以降に別途発注を進めていく。本体工事を25年9月末まで完了させたあと、外構などの残工事を進め、26年度から供用開始する予定だ。

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