清掃工場現地改築へ 廃棄物施設の基本構想案 (宮城県 塩釜市)
[2023/9/16 宮城版]
塩釜市は、ごみ焼却施設(清掃工場)、リサイクル施設、埋め立て処分場の整備の方向性を盛り込んだ「廃棄物処理施設整備基本構想」の案をまとめた。清掃工場は現地に建て替え、完成目標を耐用年数の2028年度に設定し、26年度の着工を見込む。リサイクル施設は1カ所を廃止し、清掃工場内にある既存施設を現地改築する案を検討する。市は今後、基本計画の策定に着手し、清掃工場の施設規模やPFI導入などを検討する。
市は、清掃工場で可燃ごみを焼却し、2カ所のリサイクル施設でプラスチックなどを資源化。粗大ごみ・燃やせないごみは利府町の埋め立て処分場で処理を行っている。施設の老朽化に加え、埋め立て処分場は埋め立可能年数が残り8年間と迫るため、今後の施設整備の方向性をまとめた。
整備の基本理念は▽強靭性▽環境性▽経済性──を兼ね備える持続可能なごみ処理施設とする。施設配置の方針は、清掃工場の敷地内に清掃工場を稼働させたまま新たに清掃工場とリサイクル施設を建設する。敷地(約3ha)内に空地がないため、一部用地を造成し、配置案2案を盛り込んだ。
清掃工場の施設規模は、プラスチックの一括回収を見込み、1日当たり70tを想定する。処理方法は焼却方式(ストーカ式)を基本に基本計画で検討する。整備目標は28年度に設定し、26年度の建設工事の着手を想定する。事業者アンケートで試算した概算事業費は最低額で74億円、平均額で119億円とした。
リサイクル施設は清掃工場内にある新浜リサイクルセンターを改築し、缶・びん・金属類を資源化。プラ類は再商品化計画の認定を検討し、施設が不要な再商品化ルートを検討する。伊保石リサイクルセンターは廃止し解体する。施設整備目標は清掃工場完成後の30~31年度を想定した。
最終処分場は、市単独での整備検討とともに宮城東部衛生処理組合への加入に向けた検討と協議を進める。
基本構想の策定後、9月補正予算案に基本計画の策定委託費を計上し、基本計画の策定、PFI導入可能性調査、測量・地質調査などに着手する見通し。