交流施設の規模拡大 設計委託料を継続費に変更(大子町補正)
[2023/9/16 茨城版]
大子町は、定例議会に本年度の補正予算案を提案し、原案通り議決を得た。一般会計では、3億5750万円を追加し、総額を120億1334万円とする。主なものでは、旧町役場庁舎跡地に整備する防災対応型観光交流施設の実施設計委託料を増額した。当初の計画よりもモンベルの販売ブースの拡大を行うために事業費を増額し、2カ年で総額6864万円の継続費に組み替えた。あわせて、意匠性の高い施設とするため、設計監修業務として2カ年で総額1336万円を予算化する。設計は10月ごろにも委託し、26年秋ごろの開業を目指して整備を進めていく考えだ。
防災対応型観光交流施設は、町が20年度に策定した「まちなかビジョン」において、旧役場跡地を建設地に道の駅「奥久慈だいご」の第2駐車場やイベント広場などとともに整備を計画するもの。敷地は、国交省による久慈川緊急治水対策プロジェクトでの堤防整備にあわせ、隣接する国道461号も含めて嵩上げする。
道の駅「奥久慈だいご」は21年6月に防災道の駅として認定された。旧役場跡地には、県施工による駐車場や非常用発電機、貯水槽、ヘリポート、防災倉庫、防災トイレなどの防災機能が整備される予定だ。
町では、防災と交流機能の強化を図るため、防災対応型観光交流施設やイベント広場などの整備を行う。イベント広場については、今回の補正予算案に実施設計業務委託料899万円を計上している。
ことし3月には、モンベル(大阪府、辰野勇代表取締役社長)と防災対応型観光交流施設の整備・運営に関する覚書きを締結した。同社では、町と内部に設置する機能などを協議し、来月上旬ごろまでに施設のイメージパースを策定する。町では、10月末にもこれを基にした基本・実施設計に着手し、24年度中にまとめる計画だ。設計に当たっては、意匠性の統一などを図るため、モンベルに設計の監修業務を委託し、設計業者と協議を進めながら進めていくもようだ。
内部にはコミュニティFMのスタジオやビジターセンター、レンタサイクル、モンベルによるアウトドア用品販売ブース、トイレなどを整備するほか、行政システムやカフェ、レストランなどの設置が想定されている。当初の計画では、延べ約1000平方m(平屋)程度としていたが、モンベルの販売ブース拡大などにより、約2000平方m程度に変更した。規模の拡大に伴い、今回の補正で実施設計委託料を組み替えて2カ年継続費に変更した。
24年度からは盛土などの造成工事に着手する計画だが、県による国道461号の嵩上げなどとあわせて進めていくもようだ。本体工事の着工は盛土工事の完了次第となる見通しだが、26年秋ごろからの開業を目指して進めていく。
このほか、保健センターでは経年劣化などによる雨漏りの発生を受け、施設の長寿命化に向けた屋上防水工事を行うため、工事費1323万円を予算化。役場駐車場や旧生瀬分館(小生瀬保育所園庭)の支障木伐採に55万円、研修センター進入路付近の湧き水流出対策に排水整備工事費80万円を計上した。
上小川駅前では、トイレの洋式化工事費に82万円と、駐車場整備や町道5086号線の拡幅のための用地購入費に242万円を確保する。茶の里公園には改修工事費として75万円を計上し、浄化槽のばっ気ブロワーの交換を行う。やみぞ大ホールでは、施設の利用増加が見込まれていることから、改修工事費798万円を確保し、不具合のある既存照明の改修やLEDへの変更などを実施していく。
道路改良工事には908万円を予算化し、上小川駅前の狭あいな町道5086号線(頃藤)について、延長49mに渡り拡幅工事を行う。消防団の第1分団第1部では、旧役場敷地内にある車庫を撤去するため、仮設車庫の設置へ工事費309万円を確保。だいご小学校では、経年劣化で修繕が不可能となった職員室のエアコン改修へ工事費144万円を予算化する。依上コミュニティーセンターでも、老朽化して水漏れなどを不具合が発生した農事研修室のエアコン更新に工事費154万円を計上した。