新港清掃工場リニューアル 日量450t規模で更新(千葉市)
[2023/9/16 千葉版]
千葉市は、老朽化が進む新港清掃工場のリニューアル整備計画を明らかにした。既存建築物をそのまま活用し、プラントを全て更新する方針。施設規模は日量450t規模を計画している。本年度実施しているPFI等導入可能性調査の結果を踏まえ、2024年度から事業者の選定を進め、27年度の着工を目指す。
新港清掃工場の焼却対象は可燃ごみと災害廃棄物とし、施設規模は1日当たり450tと設定。一般廃棄物ごみ処理基本計画の可燃ごみ推計量や災害廃棄物処理計画の災害廃棄物発生量を基づき算出した。
焼却方式はストーカ方式を選定。プラントメーカーの技術的な熟度が高く、事業者選定での競争性や施設稼働の安定性の面で、ほかの処理方式よりも優位性があった。
リニューアル整備手法は既存建築物をそのまま活用し、プラントを全て更新する方式を採用する。建物の劣化度調査を実施した結果、長期間の使用が可能であることが確認できたほか、経済性や解体廃棄物などの環境影響などで優位だったという。
想定スケジュールをみると、22年度に策定した基本計画に基づき、本年度はPFIなどの導入可能性を検討し、整備方針を決定する。24年度から事業者募集・選定に向けた具体的な検討を進め、25年度に事業者と契約を締結する予定だ。
26年度に実施設計を進め、27年度から30年度にかけて整備工事を実施し、31年度のリニューアル稼働を予定している。
新港清掃工場リニューアル稼働後は、北清掃工場の運転を停止し、北谷津の新清掃工場と新港清掃工場で焼却処理を実施していく。
PFI等導入可能性調査業務はパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区)に委託し、▽事業方式の検討▽市場の関心調査▽事業方式の評価▽事業スケジュール▽事業費の設定▽資金面の条件設定▽VFM試算に関する複数パターンの検討▽検討会の支援──などを進めている。委託期間は24年3月末まで。
このほか、基本計画作成業務は日本環境衛生センター(川崎市川崎区)、改修に向けた基本方針策定業務は桑田建築設計事務所(千葉市美浜区)がそれぞれ担当した。
新港清掃工場の所在地は美浜区新港226-1。ごみ焼却施設の能力は日量435t(145t×3基)で、炉の形式は全連続燃焼式焼却炉(ストーカ式)。プラントの設計・施工は川崎重工業、建築設計は大建設計、建築工事はハザマ・熊谷・松栄建設JVが担当した。