成田空港C滑走路新設 ECI方式で造成 工事費650億円(NAA)

[2023/9/15 千葉版]
 成田国際空港(NAA)は、成田国際空港の更なる機能強化に伴うC滑走路新設に向けた造成工事について、ECI方式を導入する。C滑走路南側で切土1300万m3、盛土570万m3のほか、軟弱地盤対策などを施す計画で、工事費は650億円を概算している。

 「成田空港のさらなる機能強化に向けた滑走路整備計画」では、C滑走路地区で延長3500m、幅員45mの滑走路を新設するほか、延長6200m、幅員23mの誘導路を整備する計画だ。

 C滑走路南側の造成工事では、国道296号や町道、高谷川などに支障なく付け替えるとともに、空港用地造成など複数の工事が集中し、特殊な軟弱地盤に対する技術的課題に対応する必要があることから、ECI方式を導入する方針だ。

 ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)は、設計段階から実施設計業務への技術協力をしてもらい、仕様など決定後に施工予定者として工事契約を締結する方式となる。

 NAAはC滑走路南側造成設計技術協力業務について、委託先を選定する公募型プロポーザルの手続きを開始した。業務の参考額は2300万円程度とする。履行期間は2024年12月まで。

 想定される工事規模は、用地造成が切土1300万m3、盛土570万m3、地盤改良が固結5・6ha、圧密沈下促進(PBD)15haのほか、調整池3カ所、水路や農業用水、国道296号の付け替えなどを想定している。

 プロポの参加資格として、同社の契約参加資格で「一般土木工事」「土木関係コンサルタント」に登録されていることや、単体企業または5者以内で構成された特定建設工事共同企業体であり、全ての構成員は「一般土木工事」の総合評定値(P)が1150点以上であることのほか、施工実績などを求めている。

 10月10日まで確認申請書、12月25日まで技術提案書をそれぞれ受け付け、ヒアリングを実施し、24年3月までに優先交渉権者を選定する。

 C滑走路地区については、年度内にも準備工事として高谷川の排水整備に着工する予定。その後、付替・補償道路や空港の造成など本格工事を進めていく。

 「成田空港のさらなる機能強化に向けた滑走路整備計画」ではB滑走路を北側に1000m延伸し、延長3500m、幅員60mの滑走路を整備する。準備工事として、延伸部に位置する東関道の地下道化に向け、切回し工事を進めている。24年春の供用開始を目指す。

 成田空港の更なる機能強化に向けた実施設計業務はパシフィックコンサルタンツ・京葉測量JVが担当している。

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