新図書館で測量費 建設地は石川町プール跡地(ひたちなか市補正)

[2023/9/9 茨城版]
 ひたちなか市は、5日開会の定例市議会に4901万円を追加して総額を599億8506万円とする一般会計補正予算案を提案している。主なものでは、新中央図書館の整備に向けて、測量委託料に836万円を予算化した。建設地は東石川第4公園グラウンド内にあるプール跡地とし、調査を進める。今後は28年度ごろの供用開始を目指して整備を進めていく計画だ。

 現中央図書館(1974年完成、S造2階建て延べ1868平方m、蔵書数24万書)の建て替えは、築後50年近く経過するなど建物や設備が老朽化し、エレベーターがないなど、バリアフリー化への対応も課題となっていたことを受けて新施設の検討に着手したもの。18年度には図書館総合研究所(東京都文京区)に委託して基本計画をまとめた。

 基本計画では、施設規模を定めたほか、建設候補地として4カ所を選定した。その後、建設地の絞り込みなどを進めていたが、新型コロナウイルスの影響による財政状況の厳しさや、社会情勢の急激な変化などを受け、整備計画を見直しを図る必要性が発生。新たな検討課題も増えたため、候補地の確定に加え、施設規模などの見直しを行った。

 施設規模については、基本計画の中で収蔵冊数は約50万冊程度(開架約50%、閉架約50%)とし、この規模に基づく延べ面積を約5500平方mに設定していた。見直しでは、蔵書を約40万冊程度に減少し、施設面積も当初計画より2割程度縮小して約4500平方mとするなど、コストの削減も図る。加えて、図書機能のほかに「遊びと学び」の場を確保するなど、複合化も視野に入れた検討も行った。

 建設地については、現在地での2プランと青少年センター・旧生涯学習センターなどの跡地、東石川第4公園グラウンドの計4カ所を候補地に検討。ことし3月には、周辺施設との連携や整備コストなどさまざま観点から検討を進め、豊かな緑の囲まれ、周辺に文教施設が立地する東石川第4公園グラウンドを建設地に選定した。

 石川町にある東石川第4公園グラウンドは、敷地面積約3万平方mに、グラウンドやプールなどが立地し、このうち、グラウンド部分は約1万平方mとなっている。駅から少し離れているものの、平面で110台分の駐車場を確保できるなど、施設整備にも十分な広さを有することや、隣接する子育て支援施設などとの連携も期待できることを特徴に挙げている。

 建設地決定後は、敷地内で建設場所の検討を進めていたが、敷地の南西部にある市営石川町プールが築60年を迎え、これ以上施設の開放が難しいということが判明。今シーズンで開放が中止されることを受けて建設場所の検討を行い、8月にプールの跡地に新図書館を建てることを決定した。

 測量は年度内に終える計画で、設計に約2年、工事に約2年をあてる。引っ越しなどを経て28年度ごろの供用開始を目指していくもようだ。

 このほか、平磯町の急傾斜地崩壊対策事業の工事負担金に70万円を予算化。農業集落排水事業特別会計では東中根地区の公共汚水桝へ接続する延長が当初見込みを上回ることから工事費107万円を増額し、地方卸売市場事業特別会計では受変電設備改修工事について、資材価格高騰などに伴い工事費599万円を増額する。

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