建設業が災害に対応 国道123号で土砂流出対策 大雨被害
[2023/9/7 栃木版]
暖かく湿った空気の影響で大気の状態が不安定になった影響で、県内では4日午前から1時間におよそ110mmの猛烈な雨が降り、真岡市付近や宇都宮市付近などで「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表された。この大雨の影響で、男性1人が用水路に流され死亡し、住家や道路にも大きな被害が生じた。このような中、地域の安全・安心を守るため、地元建設業者は災害対応を優先し、土砂流出への対応や冠水対策などに奔走。茂木町北高岡の国道123号は、土砂やブロックが崩れて片側車線を塞ぎ、地元の建設業者が応急復旧作業にあたった。
県は4日午前11時41分に真岡市に大雨警報、茂木町に洪水警報を発表。その後も那須烏山市や宇都宮市などに、次々と大雨警報や洪水警報、土砂災害警戒情報(レベル4)が発表された。
危機管理防災局危機管理課・消防防災課がまとめた被害の速報によると、下野市で80代男性1人が用水路に流されて死亡。住宅被害は宇都宮市で2棟が床上浸水したほか、床下浸水も宇都宮市で19棟、塩谷町で6棟、日光市と益子町、さくら市で各1棟の被害が報告されている。
道路の状況は、茂木町北高岡の国道123号でブロック積み崩れによる片側通行止めが発生したほか、同町飯野の県道赤沢茂木線は土砂流出による通行止め、塩谷町上寺島の県道東古屋寺島線も見下げブロック積み崩落により片側通行止めが発生している。
また主要地方道塩原矢板線の矢板側では、土砂流出により路面が損傷し通行止め。矢板市長井の主要地方道藤原宇都宮線は、見下げ法面崩落により片側通行止めが発生している。市町道も、日光市土沢の下阿久戸橋(田川)で橋脚の盛土が崩れ通行止めとなった。
記録的短時間大雨情報が発表された真岡市付近、益子町付近、芳賀町付近を管轄する県建設業協会芳賀支部(坂野弘支部長)は、坂野支部長など3役や技術委員などが支部会館に集合し、管内のパトロールに出動。芳賀建設業協同組合直営の作業班も、冠水箇所の側溝清掃や歩道の倒木除去などに対応した。
また、県との道路河川維持管理統合業務受託に伴い、真岡市内の通行止め対策には大関建設と浜野建設、五行川の芳賀・二宮遊水地の氾濫対策には戸祭建設と大森組が対応。茂木町の土砂流出対策は国道123号を河原土建、県道赤沢茂木線を植田建設が対応し、それぞれ大雨の中で地域住民の安全確保に努めた。
今回の大雨では矢板、塩谷地区でも多くの被害が報告された。同地区を管轄する矢板土木事務所によると、被害状況を調査中であり、今後も報告が増える可能性があるとしている。