都市環境研で検討 柏駅東口駅前の再整備(千葉県柏市)

[2023/9/6 千葉版]

 柏市は、柏駅東口駅前再整備検討業務を都市環境研究所(東京都文京区)に委託した。一般競争入札で選定を進め、落札額は660万円(税込み)。柏駅東口駅前の未来像を示した「柏駅東口未来ビジョン」を具現化していくため、駅前広場の再整備や連鎖的市街地更新のスキーム、建て替えを促進する誘導インセンティブなどを検討してもらう。履行期限は2024年3月まで。

 柏駅東口駅前の再整備については昨年度、駅前の地権者ら関係者が一堂に会し、まちの未来の在り方や目指すべき目標を共有する場として柏駅東口未来検討委員会を3回にわたって開催。検討委員会での議論を踏まえ今年5月、「柏駅東口未来ビジョン」をとりまとめた。

 検討委員会では、個別ばらばらの建て替えではなく、「地域の協調による全体最適」の考えにより、協調して一定のまとまった敷地を確保、順番に建て替えながらエリア全体を更新する“連鎖型都市再生”などについて議論し、方向性を共有。

 同ビジョンでは、「人を惹きつける魅力」「みどり豊かなゆとりある空間」といったまちづくりに必要な要素をふまえ、目指すべき「未来のすがた」を描いている。

 そこで、同業務では、未来ビジョンの実現に向け、整備から約50年が経過したダブルデッキや広場の再整備、市街地更新のスキームなどを検討してもらう。

 太田和美市長は、6月議会の市政報告で、2016年に閉店した旧そごう柏店本館敷地の取得を検討し、同跡地を所有する三井不動産との交渉に着手する考えを表明。「跡地の取得により課題の多い交通広場の改善や駅前に求められている緑豊かな広場空間の確保が実現するとともに、東口駅前エリアの全体最適に向けた建て替えを促すきっかけになる」と話している。

 将来ビジョン案の作成など、22年度の柏駅東口周辺まちづくり検討業務は、ランドブレインが担当した。

 柏駅東口は、1973年の市街地再開発事業によりダブルデッキが整備され、大型店が出店するなど商業拠点として発展した。だが、近年は、郊外型ショッピングセンターなどとの競合により吸引力が低下、社会の変化に対応していくことが求められている。

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