530橋梁で設計着手 計画的修繕へ課題共有(千葉県道路メンテ会議)
[2023/9/1 千葉版]
2023年度の第1回千葉県道路メンテナンス会議(会長・藤井和久千葉国道事務所長)が8月31日、ウェブ形式で開かれた。道路法改正により点検基準が法定化された橋梁などの点検は、2巡目(19~23年度)最終年度の取り組みが進むなか90人余が参加。22年度の点検状況や23年度の予定などが報告され、点検は着実に実施されているものの、修繕は遅れていることなどが明らかになった。
同会議は、道路の老朽化対策を本格的に実施するため、県内の道路管理者らをメンバーに14年度に設置された。
冒頭あいさつで藤井会長は、「この場をうまく活用して情報共有を図り、互いにスキルアップして、より良いインフラ整備につなげていきたい」と述べ、忌憚のない意見交換を求めた。
2巡目4年度にあたる22年度の県内点検状況については、全体の点検数に対する実施割合は、橋梁79%、トンネル51%、道路付属物59%で、本来達成すべき4カ年80%には達していないものの、5カ年で9割以上を達成する見通しが示された。
一方、県内修繕状況をみると、措置が必要な施設のうち、修繕設計着手数(割合)は、橋梁530橋(49%)、トンネル70本(59%)、道路付属物等87施設(58%)。修繕工事に着手した割合は、橋梁23%、トンネル36%、道路付属物等32%で、計画的な補修・修繕が進んでいない状況にある。
また、計画的な補修・修繕を実施するための課題については、資材価格の高騰、予算確保の困難さ、技術職員の不足、「III」判定を優先的に実施することから予防保全型に移行できていないなどの声が寄せられていることが報告された。
今後のメンテナンス会議の活動予定については、自治体職員を対象に、11月ごろ橋梁点検現地講習会(半日)と橋梁補修見学会(同)を開くことにしている。