[2023/8/29 千葉版]

　県内17町村で構成する町村会の岩田利雄会長(東庄町長)は、熊谷俊人知事に、「2024年度当初予算編成に対する要望書」を手渡した。成田空港を拠点としたアクセス網整備など重点要望事項2件のほか、若草大橋延伸線の事業化や移住・定住施策に伴う支援など、計32件を要望している。

　当初予算編成に対する要望は、21日開催の定例会で採択。定例会後に千葉県自治会館で開催された、17町村長と熊谷知事との町村行政懇談会で提出した。

　重点要望事項のうち、成田空港周辺については、地域によって道路などのインフラ整備に格差があり、空港との共生・共栄、圏央道の波及効果を享受するために、アクセス網などの整備が急務となっていると指摘。

　空港南部地域の発展に向け、圏央道から空港内へ直接乗り入れする規格の高い道路の整備や、主要地方道成田松尾線(延伸)と仮称・滑走路横断道路の整備など、12項目にわたる周辺の道路整備を求めている。

　県土整備行政については17件を要望。

　協議会を開くなど、整備検討を開始した若草大橋延伸線については、県北総地域の活性化に寄与する道路として必要不可欠と強調し、主要地方道鎌ケ谷本埜線バイパスの完成がひかえていることなどに言及、早期の位置付けと事業化を要望している。

　県道の交通安全対策については、小中学校への通学路となっている一宮片貝線、茂原長生線、八積停車場線の3路線における早期実施を要請。

　県道南総一宮線(南郷トンネル)については、乗用車同士の交互通行が不可能であり、観光バスなど大型車両の通行にも支障をきたしていることを説明。圏央道の整備効果を波及させるなど重要な役割を担っている同路線の整備促進を依頼している。

　このほか、要望書には、移住・定住施策に伴う支援、鉄道駅のバリアフリー設備整備事業に対する支援拡充、市町村水道総合対策事業補助金の継続、合併処理浄化槽への転換に伴う助成額の増額、ジャンボタニシ緊急防除対策事業の継続、歴史的文化資産の伝承と史跡の保存整備に伴う財政支援などを盛り込んでいる。