改修工事費に52億円 市民球場 26年度の供用開始目指す(日立市)
[2023/8/29 茨城版]
日立市は市民運動公園野球場の改修計画で、総額52億0406万円の3カ年継続費(23-25年度)を6月補正で確保した。工事は施設の老朽化や狭あい化などから改修や改築工事を行うもので、12月定例会後に着工し、26年度からの供用開始を目指す。
市民運動公園野球場の改修計画は、施設の老朽化や狭あい化などから改修や改築工事を行うもの。この施設は1972年に完成し、事務所(延べ499平方m)やスタンド(延べ1750平方m)、両翼94m(中堅120m)のグラウンドなどが立地している。
東日本大震災時には、バックネット裏にある2本のコンクリート柱が破損するなど、グラウンドなど施設内外に大きなダメージを受けたが、同年6月までに復旧工事が完了した。一方で、完成後約50年が経過するなど老朽化や施設の狭あい化が進み、バリアフリー化やトイレの不足には、改修するためのスペースがないことなども課題となっていた。17年度に策定した長寿命化計画では、主要施設などを中心に10年以内に更新が必要だと指摘されている。
このため、市は改築も視野に入れた規模拡大を計画。都市公園法の制約や施設を使用しながらの工事が必要となるため、20年度に基本計画を策定し、整備の方向性をまとめた。計画では、全国大会や関東大会などのスポーツ大会が開催できる広域交流拠点施設となるよう、整備目標には市民の誰もがスポーツ・レクリエーション活動に親しむことができる「市民スポーツの拠点」、プロ野球や社会人野球などを観戦できる「観るスポーツの拠点」、市民が憩い、災害時の避難拠点としての役割も担う「市民の集う憩いの都市公園」を掲げた。
新施設ではグラウンドを両翼100m(旧92m)、中堅122m(旧120m)の人工芝仕様に拡大。施設整備に当たっては、19年度に整備したスコアボードを活用しながら改修工事を行い、必要な部分を改築する。
老朽化が進んだメインスタンドと内野スタンド(鉄骨部)は、改修や増築による整備が難しいことから改築し、ユニバーサルデザインに基づき観覧席と諸室の一体的な整備を行う。改築規模はRC造一部S造SRC造3階建て、延べ約9730平方mとし、これにより観覧席は約1万5000人程度(現1万2000人)に増設する。このほか、安全な施設利用を図るための飛球対策用防球ネット整備や、夜間利用が可能となるよう照明設備の設置、都市公園機能の拡充としてふれあい広場やウォーキングコースの整備も行う。
21年度にはINA新建築研究所(東京都文京区)と基本設計の契約を結び、22年度までに実施設計をまとめた。工事は、解体工事から着手し、メインスタンドの改築やフィールド拡張などを進めていく。
工事契約案は12月定例議会に諮る考えで、解体工事については先行して別途発注することも検討している。順調に進めば、25年度中に工事を完了させて、26年度からの供用開始を目指す。