下妻市内に新工場 国内最大規模の用地19haを取得 27年3月期の着工を目指す(カルビー)

[2023/8/26 茨城版]
 カルビー(本社・東京都千代田区、江原信代表取締役社長兼CEO)と下妻市開発公社(代表理事・菊池博下妻市長)は23日、用地取得に係る予約契約を締結した。同社が取得を予定する用地は、しもつま中央工業団地の1号区画。分譲予定面積は約19haで、カルビーグループの国内最大規模となる。同社は取得した用地に東日本の拠点となる製造工場を整備する計画だ。今後は27年3月期に着工し、29年3月期の操業開始を目指す。同日には江原社長と菊池市長ら関係者が県庁を訪れ、新工場の用地を取得したことなどを大井川和彦知事に報告した。

 カルビーは1975年に下妻工場(下妻市半谷903、敷地面積1万4255平方m)を操業して以来、本県と強い繋がりを築いてきた。ただし、同工場はまもなく操業から50年を迎え、施設の更新が必要な状況にある。加えて、同社の製品「じゃがりこ」の売上が好調であり、ラインの増設が必要であることや、物流の2024年問題を踏まえて、東日本に生産キャパの大きい拠点を作る必要があること、新製品開発の検討などから、新工場を建設することを決定。建設地については、下妻市から新工業団地の分譲の話を聞き、高速道路へのアクセスの良さなどから立地を決定した。

 同社が取得する用地はしもつま中央工業団地の1号区画の約19ha。用地取得額は約49億4000万円となる。現時点で建物の規模や設備については未定としているが、「じゃがりこ」の生産ラインを既存工場よりも増設することや新製品の開発拠点などとして整備することを予定。なお、生産金額については、東日本の主要な生産拠点とするため、25年3月期に稼働予定の西日本の生産拠点となる「せとうち広島工場(生産金額約190億円)」と同等の規模にすることを想定している。

 下妻市への新工場建設について、江原社長は「東日本の次世代型の最新鋭の工場にしていく。これからの労働人口減少やライフスタイルの変化を受けて、自動化は避けては通れない問題であり、新工場ではそれに対応した工場としていきたい」と述べるほか、新製品の開発拠点として整備することに対しても意欲を示した。

 菊池市長は「カルビーが新工場を整備することで、常総ICから道の駅を経て、新工場に至るというラインが完成する。このラインが総合的に市のイメージアップに繋がるのではないかと思う。また、個人的にはカルビーに集客効果のある誘客施設を整備してもらい、交流人口の拡大につながればと期待している」と述べた。

 今後は、27年3月期に着工し、29年3月期の操業開始を予定。なお、新工場が稼働となれば、旧下妻工場の機能は順次、移管していくという。

 しもつま中央工業団地は、しもつま鯨工業団地が完売したことを受けて、下妻市開発公社が整備を進める新工業団地。同地はイオンモール下妻の南側に位置し、敷地面積は37.4haで、分譲面積は28.8haとなる。内訳は1号区画が19ha、2号区画が6.1ha、3号区画が3.7haとなる。

 昨年度には用地買収や関係法令に基づく許認可申請などを実施。本年度から本格的に工事に着手している。なお、造成工事は第1工区を塚田・端・下妻JV、第2工区を根本・初沢JV、調整池ポンプ設置工事は昱(あきら)が担当。残る工業団地関連の工事としては、道路や排水路、水道の工事などを予定する。発注時期については、造成工事などの進捗を踏まえて判断するという。工業団地の引き渡し時期は25年3月を予定している。

 残る2号区画と3号区画の分譲については、10月から11月にかけて公募を行う。公募要領は9月1日にも公開し、年末までに事業者を決定する見通しだ。

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