堀抜用水堰で工事4件 事業概要 県営8地区に8億2442万円(塩谷南那須農振)
[2023/8/24 栃木版]
県塩谷南那須農業振興事務所は、2023年度の事業実施地区をまとめた。県営事業は、農地整備事業の寺小路地区や水利施設整備事業の船生地区と市の堀用水、農業用河川工作物応急対策事業の堀抜用水堰など、8地区で4工事4業務を実施するため事業費8億2442万円を計上している。このほか、団体営事業は4市町の農集排事業や5市町のため池の防災減災など、30地区で3億7624万円を計画している。
農地整備事業では、塩谷町の中山間地域にある寺小路地区の圃場整備に着手した。この地区では小規模な圃場が多く、農道や水路も未整備なため、農地の基盤整備と担い手への農地集積・集約化を進める。受益面積は23.9haで、総事業費は6億9100万円、事業期間は23年度から27年度までの5年間となる。本年度は実施設計(現地調査)を八汐コンサルタント(宇都宮市)に発注しており、24年度に換地原案を作成し、同意が得られ次第工事に着手する。
中山間地域総合整備事業では、24年度の事業完了を予定する高原地区(矢板市・塩谷町)の圃場整備で水路付帯工を実施するため、2600万円を配分した。9月にも、指名競争入札での発注を予定する。
馬頭中部地区(那珂川町)では、24年度の完了を目指して圃場整備を実施している。面工事は概ね完了しており、引き続き補完工事を進める。本年度は、4300万円で現況道路の拡幅工事(L80m)を発注する。
水利施設整備事業は、塩谷町の船生地区で水路工を実施している。第1~4工区までは8月中に発注し、第5工区の水路橋補修工は10月にも指名競争入札で発注する予定としている。
本年度に採択となり事業に着手した市の堀用水(さくら市)は、幹線用水路工(L6.8km)と取水堰、落差工などの付帯工事を行う。事業期間は29年度までとし、本年度は実施設計を宇都宮測量(宇都宮市)、基本設計を日本工営(本社・東京都)に発注している。
農業用河川工作物応急対策事業では、一級河川那珂川にある堀抜用水堰(那須烏山市)の改修工事を行う。仮設道路工(L80m)、ゲート製作据付、取水樋管、排水樋管の4工事を、11月にも指名競争入札での発注を見込む。本年度は、事業費に3億4758万円を充てる。
計画調査事業の下寺島地区(塩谷町)は、圃場整備(A12ha)の着手に向けて計画策定に取り組む。下川井地区(那須烏山市)の圃場整備(A80ha)は、計画設計を進めて25年度の計画樹立を目指す。
本年度の県営事業は次の通り(▽地区名=[1]事業内容[2]事業費〈単位・万円〉)
【中山間地域総合整備事業】
▽高原(矢板市・塩谷町)=[1]水路付帯工一式[2]2600
▽馬頭中部(那珂川町)=[1]道路工事(L80m)[2]4300
【農地整備事業】
▽寺小路(塩谷町)=[1]実施設計[2]3000
【水利施設整備事業】
▽船生(塩谷町)=[1]水路工(L1200m)[2]3億0700
▽市の堀用水(さくら市ほか5市町)=[1]実施設計[2]5000
【農業用河川工作物応急対策事業】
▽堀抜用水堰(那須烏山市)=[1]取水口一式[2]3億4758.4
【計画調査】
▽下寺島(塩谷町)=[1]計画設計[2]284.3
▽下川井(那須烏山市)=[1]計画設計[2]1800