消防本部など移転 行政機能拡充プランを策定(かすみがうら市)

[2023/8/21 茨城版]
 かすみがうら市はこのほど、市行政機能拡充プランをまとめた。同プランでは公共施設の老朽化対策や中心市街地活性化に向けて、施設の移転や再編を明示。主なものでは、消防本部・西消防署を防災センターに移転するほか、庁舎機能の一部を千代田ショッピングモール内にある商業施設跡への移転、旧志筑小に公民館・図書館機能の移転などを計画する。移転時期については、消防本部が26年5月、庁舎機能の一部が24年11月、公民館・図書館機能が24年4月ごろを予定している。

 行政機能拡充プランは各公共施設の老朽化対策や、市民への便利で快適なサービスを効果的・効率的に提供するたことを目的に、行政機能の移転を計画するもの。計画の目標には、▽新たな窓口機能開設と、デジタル化推進による住民の利便性や行政サービスの質の向上▽庁舎、支所・出張所などの機能分担と中心市街地におけるコミュニティ機能の強化▽中心市街地へ新たな庁舎機能を整備し、災害時のリスク対応強化▽各公共施設の老朽化に対応するため、計画的・効率的な整備の推進──を盛り込む。

 移転を計画する公共施設をみると、消防本部・西消防署を防災センターへ移転するほか、庁舎機能の一部を千代田ショッピングモール内にある閉店予定の商業施設「ワンダーグー」に移転し、千代田義務教育学校地区公民館と図書館分館の機能を旧志筑小に移転する。このほか、働く女性の家(中央出張所)にコミュニティセンター(下稲吉地区公民館)の設置や、防災センター内の行政機能を千代田庁舎1階への移転も実施していく。

 このうち、消防本部の移転は、施設の老朽化に加え、既存施設の敷地が大型車両などがスムーズに出入りしにくい形状にあること、事務所が手狭であることなどが理由となる。市では同施設を喫緊の課題施設と位置付け、移転の検討を進めていた。その際には、新たに用地を購入して建設した場合、多額の予算が必要になることや、現存する施設を最大限活用することも含めて検討を実施。その結果、当面の措置として、消防本部・西消防署を千代田庁舎に隣接する防災センターと増築棟に移転することになった。

 今後は25年度に防災センターと増築棟の改修工事を実施し、26年5月に移転を行う。なお、旧施設(RC造延べ744平方m)については、26年度中に解体工事を行い、借地も返還する見通しとなる。

 庁舎の一部移転については、千代田庁舎1階にある保健福祉部と市民部(国補年金課・市民課)、総務部(納税課・税務課)、会計課の機能などを商業施設跡に移設する。これは中心市街地の活性化を目的に実施するもの。移転のメリットとしては、商業と公共が結び付くことで集客施設としての経済的な相乗効果や、交通の便が良いこと、利用者の駐車場が十分に確保されていることを挙げる。

 移転の際には商業施設を居抜きで活用することを想定し、大規模な改修工事は実施しないという。現時点ではパーテーションの設置など、内装改修を予定しており、本年度内にも改修設計委託料を補正予算で確保する予定。改修工事は24年4月から実施し、同年11月の移転を予定している。

 なお、稲吉地区に大規模な窓口機能を設置することに伴い、働く女性の家の中にあった窓口機能については、縮小することになる。空いたスペースには、公民館機能を配置していく。また、千代田庁舎1階の空いたスペースには、防災センター内に配置していた総務部(総務課・検査管財課・危機管理課)が移設することになる。

 旧志筑小には、千代田地区の公民館と図書館分館機能を移転するとともに、千代田出張所を設置する。移転の際には、改修工事が必要ないため、24年4月に供用を開始する予定。旧千代田公民館(RC造延べ1471平方m)は、24年度内に解体工事を実施し、借地を返還することになる。

 市では今後、更新時期を迎えるこのほかの施設のあり方も検討していく。対象となるのは、▽東消防署▽勤労青少年ホーム▽稲吉児童館▽千代田講堂▽第1常陸野公園▽千代田B&G海洋センター▽多目的運動広場▽体育センター▽わかぐり運動公園──などを予定している。

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