県立図書館・文書館の複合施設 建築工事費195億円 25年度の着工へ(千葉県)
[2023/8/12 千葉版]
千葉県は10日、新県立図書館・県文書館複合施設の基本設計を公表した。千葉市中央区の県立青葉の森公園内に延べ1万9000平方m規模の複合施設を新築する計画。免震構造を採用し、建築工事費は約195億円を見込んでいる。実施設計は、基本設計を担当した日本設計(東京都新宿区)に随意契約で委託する方針。2025年度の着工を目指す。
知識や情報の収集・発信拠点として県民に良質なサービスを提供するため、3館ある県立図書館を1館に集約するとともに、文書館との複合施設とすることで、機能の強化を図り、新たな「知の拠点」として整備していく。
建設予定地は県立青葉の森公園ネイチャーゾーン内のはらっぱ(公園北側駐車場の東側)付近の約1万8500平方m。建物は、公園への眺望を考え、緑が広がる里の森側に配置。エントランスは、駐車場や公園内からアクセスしやすい南西側に設ける。
青葉の森公園や近隣住宅地の景観に配慮し、建物は低層で屋根型の形態を想定。270万冊を保存できる収蔵能力を確保するとともに、自動化書庫を設置し、効率的な管理を目指す。
施設の構造・規模はRC造一部S造3階建て延べ1万9000平方mを想定。当初、構造は地下1階地上2階建てとしていたが、3階建てに変更。これに伴い、延べ床面積も1万7000平方mから2000平方m増加している。
部門配置をみると、1階はエントランスに面して、研修室や展示室、資料デジタル化作業室・プリントアウトルームを配置。持出防止ゲート内に総合サービスゾーン・障害者サービスコーナー・子どもの読書活動推進センターを設ける。
2階は一般資料ゾーン、千葉県資料ゾーン、公文書・古文書ゾーン、3階は閲覧スペースをそれぞれ計画している。
県新県立図書館建設準備班によると、準備が整い次第、早期に実施設計を委託し、24年度までにとりまとめる。建設工事については、25年度から入札の手続きを進め、同年度内の着工を目指す。工期は3年以上を見込み、29年度内の開館を予定している。