歩行者と自転車を分離 第185回都計審 2路線の構成を変更(栃木県都市計画審議会)
[2023/8/3 栃木版]
本年度1回目となる第185回県都市計画審議会(会長・大森宣暁宇都宮大学教授)が2日、県公館で開かれた。今回は、宇都宮都市計画道路3・4・701号西通りと、那須烏山都市計画道路3・5・2号山手通りほか1路線の2件について道路の区域を変更し、いずれも「原案どおり議決」と決定した。また、県都市計画区域マスタープラン専門委員会の調査検討状況や、市町村の都市計画決定について委員に報告した。
議事に先立ち、県県土整備部の坂井康一部長は「100年前の9月1日に関東大震災が発生し、現在も首都直下地震や南海トラフ地震など大規模災害のリスクに直面している。県は次期都市計画区域マスタープランの策定に向けた調査検討を実施しており、今後の都市づくりでも自然災害への対応をしっかりと検討していきたい」と話したほか、付議案について「各委員の専門的な立場からご審議いただきたい」とあいさつした。
付議案のうち、宇都宮都市計画道路3・4・701号西通りは上三川町の交通の現状や将来の見通しを勘案し、道路幅員および横断面構成を変更する。この路線は、上三川町の上蒲生地内から上三川地内まで延長約3140mの幹線街路で、県道宇都宮結城線の一部でもある。このうち今回変更する区間は、起点部から新国道4号との交差部までの、延長約860m区間となる。
一般部の現計画の幅員は車道3m×2、路肩1.5m×2、および歩道(自転車歩行者道)4.5m×2の計18mとしていたが、変更後は歩行者と自転車の通行空間を分離。周辺の道路整備計画との連続性も考慮して車道幅員も変更し、車道3.25m×2、路肩(自転車走行空間)1.5m×2、歩道2.5m×2の計14.5mに変更する。
また、現計画は現道をできるだけ活かした線形を計画していたが、起点側のS字カーブで事故が多発していることから、これを解消する線形に変更して安全性と走行性の向上を図る。
那須烏山都市計画道路3・5・2号山手通りと3・6・1号中央通りは、那須烏山市の交通の現状と将来の見通しを勘案して、横断面構成などを変更する。山手通りは延長約3160m、中央通りは延長約2190mの都市幹線街路で、このうち変更する区間は山手通りの県道宇都宮那須烏山線交差部周辺から北側の延長約1170mと、中央通りの起点部となる山手通りとの交差部から延長約10m。山手通りの内訳は、市道区間が延長約490mと約100m、県道区間が延長約580mとなる。
山手通りの現計画は、一般部・交差点部ともに幅員15mで両側に歩道(自転車歩行者道)3.5mを配置していたが、この区間は沿線に立地する県立烏山高校の生徒の通学自転車が多数走行することから、自転車と歩行者の通行空間を分離して同じ幅員の中で道路空間を再配置する。また、交差点部はこれに幅員3mの右折付加車線を設けて、幅員を18mに変更する。
山手通りの交差点部の幅員変更に伴い、中央通りは起点の位置が約10m移動することから、起点の位置を変更。これに伴い全体の延長も10m短くなり、変更後の延長を約2180mとする。