［2023/7/29　茨城版］
　県大子工務所(兼澤公也所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。道路関連では、国道118号袋田バイパス道路改築事業や国道461号上岡橋道路改築事業、国道461号大子拡幅(大子駅～大子橋)道路改築事業を実施する。また、河川では久慈川で堤防整備などを進める。このほか、湯の里大橋の耐震補強や大子広域公園の改修工事を予定する。

　道路整備のうち、国道118号袋田バイパスでは、本年度に道路改良舗装工事を実施する。同線は茨城・福島両県を結び、地域開発や産業振興、観光産業面で重要な基幹道路。ただし、袋田地内は幅員が狭いことに加えて、屈曲部が多く、交通危険箇所となる。また、秋と冬の観光シーズンには、袋田の滝方面に向かう車両が多く、交通渋滞が課題となっている。そこで同事務所では、2車線の袋田バイパス整備を進めている。全体計画は延長3560m、幅員13m、総事業費は140億円に設定。進捗率は22年度末で92％となる。

　国道461号上岡橋では本年度に橋梁下部工事や用地買収を進める。同線は茨城・栃木両県を結び、地域産業や観光振興など、地方創生を図るうえで重要な路線となる。ただし、上岡地内の押川に架かる上岡橋は、1957年に供用が開始され、老朽化が進んでいる。橋梁点検を実施した結果、架け替えが必要となったため、19年度から整備を進めている。全体計画は延長880m、幅員9.5mで、総事業費は6億円となる。進捗率は68％となっている。

　国道461号大子拡幅(大子駅～大子橋)では、本年度に調査と用地買収を実施していく。同線は、茨城・栃木両県を結び、地域産業や観光振興など、地方創生を図るうえで重要な路線。ただし、大子駅から大子橋までの区間は幅員が狭く、両側を店舗や住宅が立ち並び、交通の危険箇所であるとともに、通学路となっている。さらに観光シーズンには、車両が多く、交通渋滞が発生しているため、整備を実施している。全体計画は延長950m、幅員13～17mとし、総事業費は28億円に設定。進捗率は9％となる。

　久慈川の河川整備では、本年度に堤防整備や調査、用地買収を行う。久慈川では91年の出水を契機として92年度から工事に着手。また、令和元年東日本台風の浸水被害を受けて、19年度から国の直轄代行として久慈川緊急治水対策プロジェクトをあわせて集中的に実施している。全体計画は延長5500mとし、下流3000mは完成した。矢田・池田地区の延長は2500m(池田橋～川山橋)とし、総事業費は36億円。進捗率は61％となっている。

　橋梁の耐震化・老朽化対策では、湯の里大橋の耐震補強を進めている。本年度はP2橋脚とP1橋脚で落橋防止装置工や水平力分担装置工を予定する。この事業は緊急輸送道路で対策の必要な橋梁の耐震化を行うもの。また、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、橋梁の長寿命化も進めている。現在は湯の里大橋の耐震補強を実施。橋長は112.1mとし、総事業費は6億円に設定。進捗率は60％となる。

　大子広域公園では施設の改修工事を実施する。同園は供用開始から20年以上が経過した。これを受けて同事務所では、使い勝手や利用者のニーズを踏まえ、計画的な更新を進めている。本年度の改修内容としては、公園施設の長寿命化計画を策定するほか、フォレスパ大子のウォータースライダー改修工事、大子広域公園駐車場・テニスコート管理棟トイレ改修工事、フォレスパ大子のプール設備と防災装置の改修、オートキャンプ場キャビン内装・外装工事などを予定している。