津田沼駅南口に50階ビル 都計審で容積率の緩和方針(千葉県習志野市)

[2023/7/27 千葉版]

 習志野市都市計画審議会(会長・廣田直行日本大学生産工学部教授)が7月26日、同市役所で開かれた。習志野市立地適正化計画案について審議し、原案通り承認したほか、津田沼駅南口地区の市街地開発事業や鷺沼特定土地区画整理事業などについて報告。津田沼駅南口地区では容積率を最大800%に緩和、同市内では、最高となる50階建て程度の高層ビルを建設する計画などが示された。

 津田沼駅南口地区の市街地開発事業については、「高度利用地区」や「地区計画」、「市街地再開発事業」など7項目にわたる都市計画の決定・変更を想定。「高度利用地区」では、土地の高度利用を図るため容積率を緩和、現行の600%に200%プラス、最大800%とする。

 8月~11月に原案をまとめ、24年10月に都市計画を決定。その後、事業認可を25年4月、権利変換認可を11月に得て、27~31年に新施設を建設、32年の事業完了を目指す。

 同事業については、ショッピングプラザ「モリシア津田沼」の信託受益権を有する野村不動産と6月に「まちづくりに関する確認書」を締結。習志野文化ホールなど整備予定の公共公益的施設、費用負担などの詳細を定めている。

 整備イメージによると、新施設は複合施設棟と住宅棟で構成。駅と新施設を結ぶ約2500平方mのペデストリアンデッキ、複合施設棟の屋上に約4000平方mの屋上広場、2階レベルの外周通路など整備する。

 複合施設棟は8階建て。1~4階に商業施設、5~6階に駐車場を配置、文化ホールは、複合施設棟の5~8階に計画する。

 住居棟は50階建て程度。市街地住宅総合設計制度の適用により容積の割増を受け建設された44階建て「津田沼ザ・タワー」を超え、同市内では最も高い建物となる。

 一方、鷺沼特定土地区画整理事業については、今年3月に「区域区分の変更」などの各案が都市計画決定、県において組合設立に向けた手続きを進めている。

 今後は、住民説明会を9月以降、複合商業地区や教育施設地区などを定めた「地区計画」などの都市計画手続きを秋以降に進め、24年度の都市計画告示を目指す。

 業務代行予定者は竹中土木・野村不動産共同企業体(JV)。複合商業施設街区における商業事業予定者はイオンタウン。事業費として約167億円を概算している。

 「茜浜1丁目地区地区計画」については、自社用の単身寄宿舎を除く住宅の立地を制限することで、産業・業務環境を保全する。面積は約17・7ha。

 8割を超える地権者の同意を得られたことから原案を確定し、8月中旬にも縦覧、年度内の告示を目指す。

 習志野市立地適正化計画案については、コンパクトなまちづくりに向け、「居住誘導区域」や「都市機能誘導区域」を定め、区域内に住居や各施設を誘導する。9月末の策定、公表を目指している。

 廣田会長に諮問書を手交した宮本泰介市長は、「より計画的で効率的なまちづくりができるようになる」と立地適正化計画の策定に期待を述べ、「これから10年ほどで市の姿はがらっと変わっていくと思うが、忌憚のない意見を寄せ、市の原動力を担ってほしい」とあいさつした。

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